【コラム】from STAFF洋服フリークが「体験」に目覚めたとき。

服だけでは埋まらない何か…。それが「体験」だった。

僕はスノーピークに入社して今年で4年目、アパレルのPRを担当しています。今回は、僕自身のスノーピークとの出合いや、日々の仕事のなかで得た気づきをご紹介したいと思います。

この仕事に就く前は、古着屋に勤めていました。とにかく洋服が大好きで、特に20代前半は持っているお金をほぼ服につぎ込んでいました。デザイナーズブランドを身に着けている自分のことも好きで、ファッションのおもしろさにどんどんハマっていきました。

20代後半になると、少しずつ考え方が変わってきて、服だけではだんだん物足りなくなっていきました。埋まらない何かを埋めるように、暇さえあればあちこちへ旅行に行くようになりました。

行く先々で見る風景、食べるもの、出合う人々、すべての体験が新鮮。それがすごく楽しくて、服はもちろん好きだけど、やっぱり「体験に勝るものはないな」と実感したのが、このとき。同じお金を投資するならこっちのほうが自分にとっていいなと思うようになりました。

休みのたびにさまざまな地域のキャンプ場を訪れている。

「体験」することで見つけた自分の新たな生き方とは。

温泉に行ったり、寺社仏閣巡りをしたり、トレッキングなどを始めてみて、地方に足を運ぶことで都会とは違う心地よさを感じることに気づきました。今になって思うと、本能的に自然を求めていたのかもしれません。 

そんななかで、ふと30歳以降の自分の生き方を考えたときに、自分の好きな「服」に「体験」が加わることで、人生がより豊かになるということを、それまでの自分の行動を振り返って思ったんです。そのときに出合ったのが、アパレル事業を立ち上げて5年目を迎えていたスノーピークでした。

「都市と自然を行き来する、境界のない服」。そのコンセプトが自分のやりたいことにバッチリはまって、スノーピークを通じて、自分が体験したことを多くの人にも体験してもらいたい。アウトドアに出るきっかけをつくりたいと思いました。

たとえば、街でも山でも使える機能を備えた服なら、より気軽にその一歩を踏み出してもらえるんじゃないか、アウトドアの入り口になり得るのではないかと。

仕事をきっかけに付き合いがはじまった、自然に囲まれて暮らしを営む素敵なご家族。2020AWシーズンのルックモデルをつとめた太郎さんご家族。

2021SSシーズンのルックモデルをつとめた君島さんご家族。

自然に近い場所で暮らす人に学ぶ、本来の人間らしい「生活」。

自然豊かな場所に行くと、都市生活では得られない、物欲を満たすだけでは満たされない刺激をもらえる。僕も以前は、休みがあれば買い物をしていたのに、野遊びを始めてから、より大きな充足感を覚えるようになりました。

最近は、自然への欲求がますます高まっていて、ローカルにも注目しています。そのきっかけが、アパレルのルックブックにモデルとして出演していただいた、自然と上手に付き合いながら生活を営んでいる素敵なご家族との出会いです。撮影を通じて彼らの生活に密着していくうちに、生き方や考え方に強く惹かれ、今では友人として、そしてメンターとして仲良くさせていただいています。

僕が彼らに魅力を感じるのは、彼らが「生活」をちゃんとしているところ。
都市部やデジタルで得られる便利さと、自然やアナログから得られる豊かさ。これからを生きていくうえで大事なのは双方を知り、そして上手に付き合っていくことだと感じています。それをスノーピークを通じた人たちとの出合いによって得ることができました。

自然と人、人と人をつなげるという、スノーピークが大事にしている使命を、僕自身も仕事を通して体験している日々です。これからもアパレルを通じて、より多くの人にスノーピークのスピリットを知ってもらえたらと思っています。