新潟県燕三条。世界にその名を知られるものづくりのまちで、スノーピークは生まれた。燕三条駅から自然豊かな山間へ車を走らせてたどりつく、広大なキャンプ場を併設した本社では、社員たちが日々自然と向き合いながら、何にも似ていない独創的なプロダクトを生み出し続けている。今や国内のみならず海外にもファンを増やしているスノーピークの歩みは、半世紀以上前の1958年、創業者の山井幸雄が金物問屋を立ち上げた日からはじまる。谷川岳をこよなく愛した登山家でもあった幸雄は、当時の道具に満足できず「本当に欲しいものを自分でつくる」という志のもと、オリジナルの登山用品を開発。燕三条の優れた職人技術を活かし、仮説と検証を徹底的に繰り返して生まれた、使いやすくクオリティの高い登山用品は、次第に山好きの注目を集めていった。1963年にスノーピークの名称を商標登録し、1976年には自社工場を設立。高い山の頂を目指すように、幸雄は一歩ずつブランドの基盤を固めてゆく。
そのスノーピークがオートキャンプという新たな領域を切り拓くことになったのは、1986年に幸雄の息子である現会長、山井太の入社がきっかけだった。太はそれまでバックパッカーやヒッチハイカーのような、若者たちのものというイメージを持たれていたキャンプに注目。アウトドアをライフスタイルととらえ直し、家族の絆を深めるための豊かな時間としてのキャンプを提唱する。父、幸雄から受け継いだ「本当に欲しいものを自分でつくる」という信念で、太は燕三条の職人技に裏打ちされたラグジュアリーでハイエンドなキャンプギアづくりを開始。過剰なまでに頑丈なペグ「ソリッドステーク」や、地表にダメージを与えない焚火のための道具という新ジャンルを築いた「焚火台」など、今までなかった製品を次々生み出し、日本中に巻き起こったオートキャンプブームを牽引した。スノーピークのキャンプは、自然と人、人と人をつなぐキャンプ。頂を目指しながらも、つながりを広げていこうとする新たな進化がそこにあった。
スノーピークは自らの使命を、人間性の回復という言葉で表現し、「人生に、野遊びを。」のスローガンを掲げて社会進化の加速や複雑化にともない失われてゆく人々の人間性を回復してきた。さらにこれからは、衣食住働遊という人生すべての領域で目の前に立ちはだかる社会課題の解決に挑みながら、自然と人、人と人をつなぎ、地球上のすべての人の人生価値=ライフバリューを向上させる存在をめざす。スノーピークの企業理念The Snow Peak Wayは「私達は、地球上の全てのものに良い影響を与えます。」という一文で締めくくられている。その言葉を実現できたと心から言い切れる日まで、私たちの挑戦は終わらない。
2018年、スノーピークは創立60周年を迎えました。
今もなお受け継がれ続ける創業からの純粋なものづくりの情熱とともに、次の60年へ。
1958 |
初代社長 山井幸雄が金物問屋として、山井幸雄商店を創業。 |
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1959 |
登山を趣味とする山井は当時の登山用品に不満を持ち、オリジナル登山用品を開発。全国に販売を開始。 |
1963 |
「スノーピーク」を商標登録 |
1964 |
有限会社 山井商店を設立。法人組織化。釣具ブランド「カープ」を商標登録し、フィッシング業界に参入。本格的アウトドアレジャーのメーカーとして事業領域を拡大。 |
1971 |
株式会社ヤマコウへ組織変更。 |
1986 |
現会長である山井太が入社。アウトドアをライフスタイルととらえ、スノーピークをオートキャンピングブランドとしてリニューアル開始。 |
1987 |
スノーピークの代表的な商品であるマルチスタンドをリリース。同時にシステムデザインをコンセプトとしたオートキャンプ用品の開発を本格化。 |
1988 |
オートキャンプ用品の本格的リリース。オートキャンピングのパイオニアメーカーとして日本のアウトドアシーンを革新。 |
1992 |
創業者 山井幸雄逝去。山井トキが社長に就任。 |
1995 |
西日本の営業拠点として大阪営業所を設立。 |
1996 |
山井太が代表取締役社長に就任。同時に株式会社スノーピークに社名変更。新規事業としてフライフィッシング事業に参入。 米国・オレゴン州に拠点を設立し米国での販売を開始。 |
1998 |
キャンプイベント「Snow Peak Way」の開始。 |
2001 |
ヨーロッパへ輸出開始し、韓国をはじめアジア市場へ本格参入。 |
2001 |
オセアニア地区へ輸出開始。 |
2003 |
福岡・太宰府と東京・晴海にスノーピーク初の直営店を出店。 |
2004 |
秀岳荘白石店、L-Breath御茶ノ水店、WilD-1多摩ニュータウン店内に初となる「Snow Peak Store」を出店。 |
2008 |
韓国法人「Snow Peak Korea, Inc」を設立。 |
2010 |
東京・世田谷に直営店「スノーピーク二子玉川」を出店。 |
2011 |
キャンプ場を併設した店舗・工場・オフィスが一体となった「Headquarters」へと本社、工場を移転。 大阪府・箕面市に2か所目となる直営キャンプフィールド「スノーピーク箕面キャンプフィールド」を開業。 |
2012 |
株式会社スノーピークウェルを設立し、障がい者就労支援事業を開始。 |
2013 |
台湾に支店を開設し、販売を開始。 |
2014 |
東京証券取引所マザーズ市場に上場。 |
2015 |
東京証券取引所一部市場に指定。 |
2016 |
キャンピングオフィス事業を推進する株式会社スノーピークビジネスソリューションズを設立。 |
2017 |
地方創生に関するコンサルティング業務を行う株式会社スノーピーク地方創生コンサルティングを設立。 |
2018 |
新たな情報発信拠点「Snow Peak Tokyo HQ3」が稼働。 |
2019 |
株式会社ハーティスシステムアンドコンサルティングを完全子会社化し株式会社スノーピークビジネスソリューションズと組織統合。 |
2020 |
東京・新宿に直営店スノーピーク伊勢丹新宿を出店。 |
2021 |
キャンプ場を併設した新潟本社Headquartersが開業10周年。 |
2022 |
三重県いなべ市と地域活性化に向けた包括連携協定を締結。 |