【コラム】 from STAFF働く場所が「発想」を変える。
Snow Peak Business Solutions 取締役Yosuke Fujimoto/藤本 洋介

Prologue
自然を感じながら人と人がつながるキャンプの効果を、ビジネスに。スノーピークビジネスソリューションズが提案する「キャンピングオフィス」は加速する技術革新を背景に、人間らしい働き方や生産性の向上を模索する企業から注目を集めています。
この新しいコンセプトを生み出した代表の村瀬は、もともとIT企業の経営者。その発想の原点、そしてスノーピークとタッグを組むに至った経緯、アウトドアギアを取り入れた室内空間の演出、研修で得られる効果などをご紹介します。<全5話>
【INDEX】
1. 屋内でもテントで仕事。
2. 働く場所が「発想」を変える。
3. 焚火が「チームの絆」を強くする。
4. 人間らしい働き方が企業を救う。(前編)
5. 人間らしい働き方が企業を救う。(後編)

自由で開放的な「キャンピングオフィス」という発想。
スノーピークビジネスソリューションズでは、企業のチームビルディングや組織活性化のための場として、アウトドアで行う社員研修のモデルプランをご提案しています。
社員研修というと、ホテルなどで1泊2日で行われるケースが多く、毎回代わり映えしない場所と内容に「またいつもの研修か…」と消極的な社員さまがいらっしゃるのも事実です。
それもそのはず、会社の会議室からホテルの会議室に場所を移しただけで、ハード面はさほど変わっていません。話す内容も、奇抜なアイデアを口にしたら怒られるんじゃないかと遠慮がちになったりして、柔軟な発想が生まれにくい場合も多いです。
もっと自由でラフな意見交換をするにはどうしたらいいか。我々は、アウトドアで感じる爽快感や高揚感をビジネスシーンでも生かせるのではないかと考えました。自分たちもことあるごとにやっていて、生産性向上の効果も感じられる屋外でのミーティング「キャンピングオフィス」というスタイルです。

空の下では役職に関係なく活発な意見が飛び交う。
テントの中、カジュアルな雰囲気でミーティング。
キャンピングオフィスでの研修は、まず設営からスタート。みんなで協力しながらテントやタープを張り、キャンプ用のテーブルやチェアを設置する作業から始めます。何もない場所に自分たちの会議スペースを一から作るということです。
最初はよそよそしく、会話もぎこちない参加者同士ですが、声をかけながら体を動かすことでアイスブレイクになり、この後の会議がやりやすくなります。
テントの中でディスカッションすると、大きな笑い声が響いたり、座りっぱなしではなく立ち上がって話し合ったり、会社の会議室では出てこないようなおもしろい意見もたくさん飛び出します。
会議の後は全員でBBQを楽しみ、夜は焚火を囲んで語り合い、親睦を深めます。これが一連のプログラムです。担当の方からは「いつもの研修よりも結束力が高まった」という声がよく聞かれます。
キャンピングオフィスは現在全国13カ所の、キャンプ場や自然豊かな場所に建つホテルとパートナー提携して実施しています。2023年までに47都道府県すべてに開設したいと計画中です。

普段話さないようなことも、焚火を前にすると自然と話している。
自然の力を借りてコミュニケーションを促進。
人間らしくいられる空間や時間をつくるには、「自然の力」を取り入れることが非常に重要です。スタッフ間のコミュニケーション促進も、自然界の法則の中からうまく導き出せるのではないかと思っています。
気持ちいい青空の下、風や日差しを感じながら会話することで圧倒的に笑顔が増える。枠にとらわれない意見をたくさん交わせば、新しい発見もあるかもしれません。
アウトドア研修はチームビルディングの目的だけでなく、キャンプという遊びの要素や、その土地ならではのアクティビティを絡めながら行えることも魅力です。帰る頃にはスタッフ同士がすっかり打ち解けた雰囲気になり、会社に戻っても、いい関係性は続いていきます。
新プロジェクトのキックオフや新入社員研修など、仕事に向き合う意識を新たにしたい場面で、キャンピングオフィスが社員の絆を強め、付加価値を生むきっかけにしてもらえたら幸いです。