【コラム】 from STAFF愛着図鑑 vol.9
良品製造課Yoshiaki Kobayashi/小林 義明
【愛用歴18年】
ホットサンドクッカー トラメジーノ
私は小さい頃からものを作るのが好きでした。「自分で作った商品が、どこで、どんなふうに使われているのか知りたい」。そんな思いからスノーピークに入社し、トラメジーノと出合いました。
2004年、私の入社当時は和武器やTake!チェアなど、多くの商品を社内の工場で生産していました。良品製造課へ配属され、初めて自分の手で作ったのが、このトラメジーノでした。
入社間もなかったため、初めは「これは一体どういう商品なんだろう?」と疑問に思いながら製造していたんです。それで実際に使ってみたくて、ある日の製造後、すぐにショップに向かい、自分が作った製品を購入しました。
一般的なものづくりの現場では、工場で自分が作った製品を手に入れたいと思っても、外の販売店などに行かなければ購入できないものですよね。でも当時のスノーピークでは製造工場とショップが同じ敷地内にあり、自分で作った製品をすぐにその場で購入できました。そんなうれしい機会に、作り手として感動したのを覚えています。
それで実際に使ってみたら、料理は得意ではない自分でも簡単においしいホットサンドが作れて、びっくりしましたね。
結婚してすぐの頃、仕事で帰りが遅い奥さんのために夜食に温かいものを食べさせてあげたいと思い、ホットサンドを作ってあげたんです。中身はハムとチーズのみでシンプルでしたけど、とても喜んでもらえたから私もすごくうれしくて。その日から「さすがに毎日はいらない」と言われるまで、毎晩作り続けました(笑)。
今は3人の息子たちのために、ときどき朝食にホットサンドを作ります。ハム&チーズにタレを入れてみたり、カレーを挟んで焼いてみたり。いろいろ試してみましたが、やっぱり王道のハム&チーズが一番人気。たくさん食べてくれるので、いつも焼くのが間に合わないくらいです。
先輩からの教えで、トラメジーノは使い終わったら洗い、オリーブオイルを薄く塗っておきます。そのおかげで焦げ付くことなく、購入からおよそ20年経った今でも現役。稀にハンドルがガタつくなと感じるときには、自分で叩いて直しています。
私にとってトラメジーノのホットサンドは「誰かのために作るもの」。不器用な人間でも、簡単においしく作れて、家族を喜ばせることができるんです。
世の中のお父さんたち、奥さんとケンカしてしまったら、ぜひトラメジーノでホットサンドを作ってあげてください。きっと笑顔になるはずですよ。
Epilogue
今回の「愛着図鑑」は、いかがでしたでしょうか。長く使ってきた道具とあなたが織りなす時間は、どんなに優れた新製品を買っても手に入ることはなくて、その時間を、人は「愛着」と呼ぶのだと思います。
新潟・福岡にあるアフターサービスルームには、今日も遠方から修理の必要な道具たちが届きます。壊れたら捨てるのではなく、大事になおしてまた使って欲しい。そんな想いを込めて今日も丁寧に修理にあたっています。もしも、道具が壊れたらいつでも私たちスノーピークにお送りください。想いを込めて修理し、皆さまにお戻しいたします。