【SDGs】from STAFF「循環」で創る服の新しい未来のカタチ(前編)
Apparel開発課 エグゼクティブクリエイターTomohiro Sakata/坂田 智大
Prologue
使い捨てではなく「循環する洋服」を。スノーピークアパレルではコットン製品(綿)をリサイクルし、新たな製品の製造・販売につなげる取り組みを始めました。
衣料品に関わる環境問題にインスパイアされて実現した、スノーピークアパレルの新機軸となる画期的なプロジェクト。アパレル開発課エグゼクティブクリエイターの坂田がお話しします。
【INDEX】
1. 新たな取り組み『UPCYCLE COTTON PROJECT』とは。
2. パートナー企業と描く、新しい未来のカタチ
コットンの回収から製造・販売までを自社で一貫して行うのは業界初。
人と自然、その先の未来を考えた洋服。
世の中には多くのアパレルメーカーが存在し、生活の必需品である洋服、着る喜びを味わえる洋服など、各々の使命の下に製品を作っています。
しかし洋服を作る時、捨てる時には、必ずと言っていいほど代償が伴うものです。製造過程では裁断片などのごみが大量に出たり、染料による環境汚染への影響なども問題視されています。
また洋服を捨てる時、多くの場合は焼却処分で廃棄され、その際に発生する二酸化炭素(CO2)は地球温暖化加速の原因に。
自然と共生し、密接な活動を行っているスノーピークの洋服は、人と自然を繋げ、環境の未来を考えるものでなければいけない。そこで私たちが新たに取り組み始めたのが「UPCYCLE COTTON PROJECT」です。
製造段階で出る大量の裁断片を糸に生まれ変わらせる。
地球上の人が一番着ている素材だからこそ。
スノーピークでは、既にポリエステル製品の回収・再生事業は行っています。しかし、自然との関わりを発信していくという基本理念から考えた時に、たくさんの人が日常的に着ている天然繊維のコットンこそリサイクルすべきでは?という考えが膨らんできました。
いくつかの生地屋さんを当たってみて、私たちのコンセプトに最も共感してくれたのが、タキヒヨー株式会社様です。タキヒヨー様は、「ファストファッションのデニムの生産が行われているグアテマラで、製造段階で出る大量の裁断片が環境問題の一つになっている。そのごみをもう一度綿にして糸に生まれ変わらせたい」という構想をお持ちでした。
私たちのアップサイクルの考えにも通じるものがあり、だったら一緒にやりましょう!と意気投合。
弊社が謳っている「日常使いからキャンプシーンまでシームレスで活躍する」服で汎用性のあるものといったら、まさにデニム。せっかく作るなら、多くのブランドがやっている「リサイクルコットンを使った製品」ではなく、生地に使う糸から全部アップサイクルしたもので作ることを決めました。
参加することで環境問題が身近に。
「UPCYCLE COTTON PROJECT」第一弾として誕生したサステナブルなデニムは、老若男女どなたでも着ていただけるシンプルなデザインに仕上がりました。
コットンの回収から製造・販売までを自社で一貫して行うのは、業界で初めての試みでもあります。今後は、スノーピークの直営店でお客様が不要になったコットン製品(他社製品でも可)を回収し、それを原料にしていきます。
スノーピークで回収したコットン製品が、スノーピークの商品として再生する。この洋服がどんなふうに生まれ変わるのかな…と、循環サイクルを想像するのも楽しいし、それが環境問題に繋がっているというのがすごく意味のあることだと思います。
不要になったコットン製品は、ぜひ店頭に持ってきてください。いずれ新しい衣料となってよみがえります。私たちが取り組むこの活動に、少しでも興味を持ってくださる方が増えるとうれしいです。
Epilogue
アパレル業界が抱える環境問題を背景に、スノーピークアパレルの発案とタキヒヨー株式会社様の思いが共鳴して形になった、新製品のデニム。まだまだ語り足りない開発秘話は後編に続きます。タキヒヨー渡邉様をお迎えし、坂田との対談でお送りします。
<後編につづく>
パートナー企業と描く、新しい未来のカタチ