都市とフィールドをシームレスにつなぐ「SP Field Trainer」スノーピーク初のスニーカーが誕生。その特徴とは?

今季登場した「SP Field Trainer」は、スノーピーク初となるオリジナルスニーカーです。「SP Field Trainer」とは、一体何者なのか。今回は、その開発経緯と特徴をご紹介します。

もともとの構想としては「スニーカー」の軽量性、使いやすさと、「革靴」のテクスチャー、重厚感、堅牢性と、「サンダル」の着脱のしやすさが一体になった、フィールドと街を行き来できる、まだ見たことのないシューズが欲しい、そんなイメージがありました。

それと同じタイミングで、国内の革靴の工場さんで、スノーピークのギアやアパレルを使ってキャンプをしてくださっている方がいらっしゃって、試作のお話をいただき、「都会的で野生的、かつ機能的な靴を作りましょう」と意気投合し、開発がスタートしました。

独特な質感・デザインを生み出したアイデアリソース

メイン素材には防水加工を施した防水レザーを、トリムにはラバーのようなテクスチャーのシンセティックレザーを使用し、有機的でありながら無機的なテクスチャーに落とし込みました(H・R・ギーガーのつくるエイリアンの質感、有機物と金属の無機感の融合のような……)。

次に、デザインのとりまとめについて(これはあくまでイメージソースですが)。
1970年代にイタリアの自動車メーカー「ランチア」が「ストラトス」という、すごいラリーカーを作ったのですが、この車が個人的に好きで、これに倣い、曲線と直線が絶妙なバランスで合わさったエロさとFuturisticな要素をエッセンスとして取り入れました。

シューズ先端のシェイプイメージは、ロシア初の第5世代ジェット戦闘機「スホイ57」をイメージしてシェイプさせています。靴先をこのようにシェイプさせた理由としては、靴先が幅広いと、よく足をぶつけたり、ひっかけたりするドジっ子が企画者だったため、という側面もあります。

アウトドアで求められる快適性と高度な機能を付加

さらに大きな特徴の一つとして、この「SP Field Trainer」は、シューレースを使用していません。アジャストに関しては、アウトドアサンダルのベルトストラップから着想を得て、着脱やアジャストの効果を考えて、R.A.F.(英国空軍)のフライトベストのようなタクティカル感、パンクカルチャーを生み出した「SEDITIONARIES」のパラシュートシャツのようなアナーキー感がエッセンスとして感じられるようなイメージに落とし込みました(趣味の要素が満載ですいません)。

もともとは1本のベルトでアジャストさせる仕様だったのですが、各部の締め付けや部材の取り回しで、デザイン的にも履き心地的にも無理が生じてしまいました。甲部分は細いストラップ、足首部分は太いストラップという2段階の調整を設ける仕様に変えることで不具合を改善し、結果的にデザインアクセントにもなりました。

足首部分のアジャスターには、フィドロック(FIDLOCK)製のマグネットアジャスターを使用することで、ワンタッチで快適に着脱ができるように配慮しています。

ソール部分は「自然と、自然に向かって足が出る」、散策や野遊びで無意識に足が進むような快適性があったらよいな、ということで、優れた品質で評価の高いVibram社のソールの中でも、とくに耐久性、防滑性に優れた「VIBRAM ROLLINGAIT SYSTEM(ビブラム ローリングゲイト・システム)」を採用しています。

出典:PR TIMES

このソールシステムは、ソールの形状がフラットではなく、若干弓なりになっているのが特徴で、着地の衝撃を和らげながらエネルギーに変え、自然な足運びをサポートしてくれるため、長時間の移動でも疲労を軽減してくれるという優れもの。本格的なウォーキングシューズにも採用されています。履いていただくとお分かりいただけると思うのですが、本当に勝手に足が歩きたがるというか、進んでくれるのです。

公私入り乱れましたが、「街でも、キャンプでもシームレスに履けること」。そのコンセプトを追求して誕生した、スノーピークアパレルらしい一足です。ぜひ一度、店頭で試してみてください。

すが・じゅんや/1985年生まれの佐賀県出身。スノーピークアパレルの素材開発を主に担当。最近趣味の音響を化石のようなアナログ機材に入れ替える。トレンドはVUメーターとアイソレーター。今年欲しいギアは焚火台SR。