キャンパー目線の地域活性。スノーピークが考える地方創生の決め手とは

あ、ここでキャンプしたいな。

この想いは、我々が地方創生の事業に取り組む際に、一番大切にしていることです。

「野遊び」や「キャンプ」「アウトドア」をキーワードに、地方創生や地域活性化に取り組む子会社「株式会社スノーピーク地方創生コンサルティング」が設立されたのは、2017年2月のこと。設立から2年以上経過し、これまで問合わせを受けた地域の数は100を超え、今も年間で20~30の地域で様々な事業に取り組んでいます。

問合せや取り組みで多いのは、大きく分けて二つあります。
一つは、各地域の自治体や企業・団体が所有しているキャンプ場や遊休地を、野遊びの拠点づくりとしての活用を検討するもの。いま運営・管理している奥日田キャンプフィールド/十勝ポロシリキャンプフィールド/おち仁淀川キャンプフィールド/土佐清水キャンプフィールドの取り組みがそれにあたります。
もう一つは、地域の遊休地等を活用して、スノーピークならではのソフトコンテンツを開発するもの。白馬や十勝、阿蘇でのグランピングがその事例になります。

常設のグランピング施設「FIELD SUITE HAKUBA Produced by Snow Peak」を2019夏開業予定(長野県白馬村)

キャンパー目線で地域の資源を磨く

拠点づくりでもコンテンツ作りでも、よく皆さんに聞かれるのは「場所を決める基準は何ですか」というものですが、最初に訪問した際に「あ、ここでキャンプしたいな」と思えロケーション(場所)があるかどうかだと思います。そう思える場所に出会うとアイディアが浮かびます。

キャンプ場だけでなく、普段はキャンプをしないような場所で感じることも多くて、例えば牧草地や畑、スキー場、都市公園なんかで感じることもあります。おそらくこれは、野遊びが大好きで、日ごろからキャンプを楽しんでいる、スノーピークのスタッフならではの想いなのかも知れません。


例えば、北海道の上川町を訪れた時のことです。

上川町は、大雪山の麓にある街で、夏ももちろん素敵なところなんですが、冬に訪れた時に、キャンプしたいなぁと思える場所に出会いました。夏は、畑や牧草地となっているところが、冬になると降り積もった雪のおかげで、どこまでも続く大雪原となります。

そして、その雪原の向こうに大雪山が望めるという場所に立ったときに、キャンプ場でもないのに、「ここでキャンプしたいな」と純粋に感じました。それをきっかけに、2019年にその場所をベースに、地元のコンテンツを活用した野遊びツアーの開発に取組み、メディアツアーを実施しました。大変好評をいただき、2020年からは、地元のDMO(地域にある観光資源に精通し、地域と協同して観光地域づくりを行う法人)が中心となって一般販売を目指しています。

キャンプ欲を掻き立てられた、大雪山のふもとに広がる雄大な雪原。(北海道上川町)


野遊び×地域の魅力が起こす化学反応

もちろん、キャンプをしたいなぁと思えるところは、自然豊かな場所で感じることが多いのですが、都市部で感じることも多くあります。

例えば愛知県の豊田市です。誰もが知っている産業都市・豊田ですが、最初に訪れた際、市街地にサッカースタジアムと豊田大橋が同時に目に入るところがあって、そこに立った時に、「ここでキャンプしたいね~」とスタッフ同士で話したことがきっかけとなり、グランピングを実施しました。産業都市のコンテンツと都市部ならではのロケーションもあり、地域の魅力を楽しむ取り組みだったと思います。

都市の真ん中でのグランピング。夜景の美しさもこの立地ならでは。(愛知県豊田市)

 
その他にも、高知県越知町との取り組みでは、視察をした際に日本一の清流・仁淀川を見ながらキャンプが出来たら素敵だなと思って、高知県や越知町と連携しながらキャンプ場の開発を行い、スノーピークおち仁淀川キャンプフィールドが誕生しました。日本有数の豪雪地・新潟県十日町市を訪れた際には、5月上旬まで残っている雪の上でキャンプをしたら楽しいだろうなと思って、雪上キャンプを地元の皆さんと一緒に取り組んだこともあります。

「日本一の清流」と名高い仁淀川が眼前に広がるスノーピークおち仁淀川キャンプフィールド。(高知県越知町)

5月の連休でも雪の残る「▲越後妻有大厳寺高原キャンプ場」。山菜のお土産も大人気でした。(新潟県十日町市)

 
今日ご紹介したのは、ほんの少しの一例で、おそらく、我々が「あ、キャンプしたいなぁ」と思える地域って、日本全国にまだまだたくさんあると思っています。
野遊びを活用した地方創生の可能性に満ちているところが、たくさんあります。
 
みなさんのお住まいの地域にも、そんな場所があったら、ぜひお声がけいただけるとうれしいです。
全国からのお問合せを楽しみにしています。

地方創生チームによる連載がスタート。次回もお楽しみに。

にしの・まさし/株式会社スノーピーク地方創生コンサルティング 専務取締役。新潟県出身・在住の40歳。 野遊びをキーワードに地方創生に取組む部署に所属。全国各地をフィールドに、出張日数は年間で150日を超える。 各地の美味しいものを食べることも多く、一向に痩せないのがここ最近の悩み(笑)。 休みの日は、出張先で出会った食材を使ってファミリーキャンプを楽しむほか、大学時代から続けているツーリングカヌーも楽しむ。「ヤエンクッカー」を片手に「ヤエンストーブ ナギ」で食事を作り、河のせせらぎを聞きながら「バクー」の中で寝るのが最上の幸せ。 家庭では、2人の男の子(8歳と4歳)の父親。 家族と過ごすキャンプでは、ランドロックとガビングスタンドがマスト携行アイテム。 IGTを忘れてもガビングスタンドは忘れない。 ゴミを含めたテント内の雰囲気をガビングスタンドが変えるため、ガビングスタンドの設置場所に並々ならぬ拘りを持つ。