【コラム】from STAFF変化に強いワークスタイルを考える。

急速に変わってしまった世界と、僕たちのいま。

僕は、岐阜県の関市という、刃物が有名なまちで生まれ育ちました。昨年末、地元に小さな一軒家を建てて、現在は妻と娘の3人で暮らしています。

新卒でスノーピークビジネスソリューションズに入社して以来、企業様に対してMicrosoft365を活用したテレワークの導入支援を担当してきました。自らもユーザーとしてテレワークをフル活用してきた経緯もあり、2020年2月の段階で、新型コロナウイルス対策の一環として「全社員テレワーク」を一斉に実施できています。

みなさんも感じておられるように、世界は急激に変わってしまいました。あらゆる企業に対してテレワーク導入が求められ、突然のことに戸惑われている企業様からのお問い合わせは後を絶ちません。僕たちも今を生き抜いていくために、必死にアイデアを出し、協力し合うことの大切さを感じています。これは個人の暮らしにおいても同じではないでしょうか。

そこで、僕自身のテレワーク経験を通じて、スノーピークがwithコロナ時代にユーザーのみなさまへ提案できる、自然とテクノロジーが融合した働き方、暮らしをお伝えします。

自宅でのテレワークを、より有意義にするために。

そもそも自宅でテレワークをしたいと思ったら、何が必要でしょうか? きっと多くの方のイメージは、パソコンなどのIT機器と、インターネット回線、そしてクラウドサービスだと思います。もちろん組織の場合は、運用ルールや、社員のマネジメント、セキュリティ対策など、さまざまな項目を取り決めて共有し、改善していく必要があります。

これらを行うだけでも大変なので、外出が制限された家の中だけのテレワークや暮らしに、心のゆとりがなくなってしまったり、ストレスを感じたりしている方も多いと思います。

例えば……
・曜日感覚がなくなってきた
・仕事や家事のメリハリがつかない
・気持ちの切り替えが難しい
・新しいアイデアや意欲が生まれなくなった
・同僚や家族とのコミュニケーションがうまくいかない
・漠然とした不安を少しでも手放したい   など

こうした課題を解決、あるいは軽減するためにおすすめなのが、自宅に「自然」の要素を取り入れること。そして、自宅の工夫で「働く場所のバリエーションを増やすこと」です。

植物から小さな変化を感じる、自宅の環境を工夫する。

今すぐに誰でも行いやすい工夫の一つは、自宅で植物を育てること。レプリカではなくて、生きている生の植物がお勧めです。なぜなら、成長していく植物を見ることで、日常に小さな変化を感じられますし、グリーンの色が心を落ち着かせてくれます。

また、スノーピークギアを活用することで、自宅でも比較的簡単に働く場所のバリエーションを増やすことができます。例えば僕の場合、誰かに話しかけられても大丈夫な時はダイニングテーブルで仕事をしていますが、自分だけの空間が欲しいときやオンラインミーティングでは、寝室にローチェアとローテーブルを持ち込んで仕事をしています。

天気がいい日や、新しいアイデアを出したいときは、ウッドデッキにローチェアとローテーブルを持っていく……。こうすることで、仕事や気分に合わせて働く場所を選択できるように工夫しました。僕たちは通常、企業様に対してこのような働き方改革をご提案していますが、これは個人宅でのテレワークでも同じことが当てはまると思っています。

ローチェアが生活の中に一脚入れば、違った日常が感じられる。

僕はスノーピークギアのロースタイルが大好きです。僕が初めてローチェアに座ったのは、みんなで焚火をしたときのこと。普段とは目線が変わって、土との距離が近くなって、何とも言えない安心感や心地よさがあって……。この不思議な魅力に囚われてしまいました。

また、僕の娘がまだ小さいこともあって、ローチェアに座ることで子どもと同じ目線になれるのもいいなと思っています。娘が見ている世界を感じられることに、何とも言えない嬉しさがありますし、対等に近い立場でコミュニケーションができるとも感じています。

ローチェアが生活の中に一脚入ると、いつもの日常が、いい意味で違った日常になります。スノーピークのローチェアを持っているよ!と言う方は、キャンプ場だけでなく、自宅でのテレワークにもぜひ使ってみてください。

ここからは、自宅でのテレワークをより有意義にするために、僕が日々工夫している具体例をご紹介します。

休憩時間で、家族とつながる。

休憩の時に、どのように家族と関わるのか。これは自宅で円滑なテレワークを続けていく上で、非常に重要なことだと思います。忙しいかもしれないけれど、家族と会話をすること、感謝を伝えることで、自然と仕事を応援してくれる関係がつくれるように心がけています。

また、僕の家には小さな庭があるのですが、時間があれば休憩時間を庭いじりに使っています。土をいじっていると落ち着くというのもありますし、こんなご時世だからこそ、買い出しに出かける近所の人とあいさつができると、少しほっとします。また、庭に咲いている花や木々をみて、近所の人たちの心が少しでも安らいだらいいなという想いもあります。

それから、地元の飲食店に貢献するために、ときどきテイクアウトでご飯を買っては家族と食べています。この写真は、大学時代に僕がアルバイトをしていたお店のランチ。気分転換になりますし、身近な誰かを応援することで、逆に自分も励まされていると感じます。

こまめなコミュニケーションで、チームとつながる。

オフィスで一緒に居れば、「なんか困っているな」と気がつけることも、オンラインがベースになると、アンテナを張っていないと気がつけないことも増えてきます。そこで僕が非常に意識しているのが、こまめなコミュニケーションをチームで取り合うことです。

以前までは、無駄に会議を設定しないようにしていました。しかし今は逆で、「迷ったらいつでもミーティングを入れてね」とチームメンバーに伝えています。なぜなら、全員が遠隔で働いている場合、ちょっとした認識のズレであっという間に時間を失ってしまうため、今はこの方が効率も良いのです。

そして、メンバーの声のトーンや、チャットのレスポンスで何か異変を感じた場合は、すぐに電話でコミュニケーションを取ります。リアルで会うよりもニュアンスが伝わりにくいこともあると思うので、何か意図しない出来事が起こってしまった場合も、怒ったり叱ったりするというより、どう行動を変えてもらうか、に注力して伝えるようにしています。

自然とテクノロジーが融合した働き方と、暮らし方。

全社員で一斉にテレワークを開始して、もうすぐ3か月が経とうとしています。ときどき思うのは、そもそもオフィスにはどんな意味があったのか。そして人々の仕事、オフィスはどう変わっていくのか。

これは僕個人の意見ですが、これからは地方分散型のオフィスになっていくと想像しています。例えば、地方にいながら都市部のメンバーとオンラインでつながりながら働き、仕事も生活もワンフロアで完結するような住宅スタイルが普通になっているかもしれない。暮らすように働き、家と職場の境界線は、心地よくあいまいになっていく。

そして、建物の中の空間と、ウッドデッキやベランダなどの外の空間がつながって、不思議な中外(なかそと)空間を持つことが当たり前になっていたり、プライベートとパブリック、一見相反するもの同士が交わって、逆にバランスがとれたりするようになるのかもしれない。未来のことは分からないけれど、きっと僕たちの想像を超えることがこれからも起こるのだろう。

いずれにせよ、僕たちの暮らしにテクノロジーが必要不可欠なのは、誰の目にも明らかだと思います。それと同じくらい、自然を取り入れた暮らしも欠かせません。この2つを有機的に組み合わせていくことで、僕たちは真に豊かな働き方をつくっていけると信じています。