【永久保証】 from STAFF修理の先にある絆 vol.6

Prologue

アフターサービスルームには、今日も日本各地から修理が必要な道具たちが届きます。ユーザーの大切な道具の修理を通して、キャンプというライフスタイルを支えるスタッフのストーリーをご紹介します。

今回は、縫製修理を担当しているスタッフ・成田のストーリーです。産休・育休を経て、久しぶりに自分のミシンを踏んだ時、まったくブランクを感じなかったという成田。

彼女のミシンは、入社時からの「相棒」。毎日、二人三脚で、ユーザーからお預かりした大切な品々に向き合っています。

◇どんな修理にも、自信を持って。

縫製の腕前と幅広い対応力、仕上げの美しさなど、社内でも定評のある技術者の一人。

―この仕事に就いたきっかけは?

成田:
「物心ついた頃から針を持って、チクチクするのが好きだったんです。前職は、パジャマやローブを作る仕事をしていました。結婚を機に退職、引越しをして、仕事を探している時に、スノーピークで縫製の求人を知り、入社しました。

それまではデイキャンプしか経験がなかったのですが、初めての社員総会でキャンプ泊した時に、外で食べるごはんがおいしくて、すごくよく眠れたんです。そこからキャンプや、キャンプの道具にも少しずつ愛着心が湧いてきました」
 
 
―普段の担当業務について教えてください。

成田:
「テントやアパレルの補修を担当しています。焚火で焦げたテントの穴にアイロンをかけて伸ばし、ミシンをかけたり、水漏れ防止のシームテープを貼ったり。大体2~3時間で終わる修理が多いのですが、面積が大きいものや、生地を調達できなかったりする場合は、1~2日かかることも。

洋服を製造する作業と違って、修理の仕事は、1点1点がオーダーメイドみたいな感覚。持ち主はどんな方だろう? どんな使い方をされてたんだろう? と想像するのも、とても楽しいです」

焚火で焦げて穴の開いたテントは、部分的に切り取り、上から補修する。

─仕事をする上で大事にしていることは何ですか?

成田:
「自信を持って修理することです。自信のなさは修理あとに表れますし、ユーザーさんを不安にさせてしまいます。また、修理に正解はないと思っているので、現状に満足しないよう、改善点を探しながら直していこうと思っています。

ちょっと自信がないな…という時は、周りのスタッフに助けてもらいます。ユーザーさんから『こんなふうに直してほしい』というリクエストがあった場合は、みんなでアイデアを出し合って、できるだけその意向に沿った形でお返しできるように。

それが新しい修理方法を考えるきっかけにもなるので、常に上を目指しつつ、協力し合って取り組んでいます」

◇道具に宿る“思い”を大切に。

相談しながら、最適な修理方法を見出していく。

─どんな時にやりがいを感じますか?

成田:
「ユーザーさんから直接、感想をいただいた時ですね。キャンプイベントで、私の名札を見たユーザーさんに『あ、成田さんだ。この服、あなたに直してもらったものだよ』と声をかけていただいた時は、とてもうれしかったです。“修理の先にユーザーがいる”ってこういうことなんだと感じました。

修理後のアンケートでも、名指しでありがたい言葉をいただくことがあります。本当に励みになります」
 

─印象に残っているエピソードを教えてください。

成田:
「アフターサービスに届くものは1点1点に持ち主の思いが宿っているので、具体的には言えません(笑)。大切な人から譲り受けたものだったり、思い出に残るものだったり。思い入れが強いからこそ、修理に出されているんですよね。

ユーザーさんから『スノーピークの製品はちょっと高いけど、これはアフター込みの値段だから』と言われたことがあります。傷んだものをすぐに買い替えるのではなく、大切に直しながら長く使う。その安心感も込みで買っていただいているので、なんとかお応えしていきたいです」

ミシン作業は集中力が必要。生地によって針も糸も、縫い方も変わる。

─今後の展望や目標を教えてください。

成田:
「つい最近、一部の靴も直せるようになりました。内側からストレッチ性のある生地を当てて、接着して。靴はミシンも大きいアイロンも入らないので、コテのような形状のアイロンを導入して、工夫しながら修理を行いました。

そんなふうに、毎日難題に向き合い、いろんな方法を試しています。替えが効かない、失敗が許されないという緊張感も、実は好きなのかもしれません。同じチームの人からは『楽しそうに仕事してるね』とよく言われます。無意識に、顔に出ているのかもしれないですね(笑)」

残反や切れ端は「BRING」でリサイクル。

Epilogue

今回の「修理の先にある絆」、いかがでしたでしょうか。長く使ってきた道具とあなたが織りなす時間は、どんなに優れた新製品を買っても手に入ることはなくて、その時間を、人は「愛着」と呼ぶのだと思います。

新潟・福岡にあるアフターサービスルームには、今日も遠方から修理の必要な道具たちが届きます。壊れたら捨てるのではなく、大事になおしてまた使って欲しい。そんな想いを込めて今日も丁寧に修理にあたっています。もしも、道具が壊れたらいつでも私たちスノーピークにお送りください。想いを込めて修理し、皆さまにお戻しいたします。