ただ手放すのではなく、
「服にする」という選択
大量生産・大量消費が繰り返される現代、日本では年間約100万トンにも及ぶ衣料品が破棄されています。ものづくりに情熱を注ぎ、道具と人のあいだに生まれる特別な時間を大切にしてきたメーカーとして、この現状をどうにかしたい。そんな想いでこのプロジェクトが生まれました。不要になった服、そしてテント※1を回収し、日本環境設計の再生ポリエステル製造技術によってポリエステルを取り出して精製、糸をつくり、新たな服へ。原料を無駄なく使う、一着丸ごと立体的に編み上げるニットウェア「ホールガーメント」※2に仕上げます。回収から製造、販売まで一連の流れを可視化し、モノや資源を大切にする人々の想いをつなげていく有機的なリサイクルを展開していきます。
※1:回収したテント及びタープの服へのリサイクルは現在開発中のため将来的な商品企画の構想です。
※2:WHOLEGARMENT® 及び ホールガーメント® は株式会社島精機製作所の登録商標です。
日本環境設計の再生ポリエステル製造技術
衣料品の約60%にはポリエステル繊維が使用されており、その生産には多くの石油由来原料が使われています。着なくなった衣料品に含まれるポリエステル繊維を溶かし出し、精製して、もう一度その原料であるポリエステル樹脂を製造するのが、日本環境設計の再生ポリエステル製造技術です。このサスティナブルな樹脂からつくるポリエステル繊維でも、石油由来原料を利用するのと同じように、多様な糸・服を製造することができます。原料をサスティナブルな樹脂に置き換えていくことで、石油資源の使用削減、二酸化炭素の排出削減に貢献します。
衣料品には綿やその他の繊維が混紡されているものも多くありますが、このうちのポリエステルだけを分解・抽出して樹脂を精製するため、混紡されていたり、ボタンやファスナーが付属していたりする衣料品でもリサイクルすることが可能です。また、ポリエステル以外の繊維もそれぞれの繊維に適したリサイクルがされています。
日本環境設計のWebサイトへ
“服から服へ”そして“テントから服へ”
スノーピークでは島精機製作所の編み機「ホールガーメント」を本社屋に導入。日本環境設計の工場にて生成された再生ポリエステル樹脂を使用した糸にてニット製品の自社製造を開始します。製造の過程はオープンファクトリーとして公開し、製品が編み上がる過程を見ていただくことが可能です。スノーピークは今回の取り組みにて、「リサイクル衣料の回収」「再生工場での生成」「再生糸での製品製造」「販売」という、一連のサイクルを構築することで、“服から服へ”そして“テントから服へ”という、持続可能なものづくりを推進する体制が整いました。