【永久保証】 from STAFF修理の先にある絆 vol. 4

Prologue

アフターサービスルームには、今日も日本各地から修理が必要な道具たちが届きます。ユーザーの大切な道具の修理を通して、キャンプというライフスタイルを支えるスタッフのストーリーをご紹介します。

今回は、スタッフ・西川のストーリー。アパレルで縫製の仕事をしていた西川は、2012年にアフターサービスのメンバーに。縫製チームで経験を積み、現在は、縫製・ギアの両チームのスケジュールを管理するフロント業務を兼任。製品を受け取ってユーザーの皆さまにお返しするまでを一貫してフォローします。

「できない」と言わない。

―普段の担当業務について教えてください。
西川 今は、縫製業務とアフターサービスの現場の管理を兼務しています。電話やメールでユーザーさまとコンタクトをとりますが、ユーザーさまにとって製品が壊れ、修理に出すこと自体がショッキングなことだから、依頼の時点ですでにテンションが下がっています。そういう気持ちに配慮し、寄り添って丁寧に聞いていきます。

聞き方にマニュアルはありません。聞き役に徹して、傷の状況やどういう経緯で破損したかを伺い、その言葉から、何をしてほしいのかを探ります。壊れ方もユーザーさまの要望も、ひとつひとつ異なるので。

GWや夏休み明け、秋のキャンプシーズンには修理依頼が集中します。効率よく修理を進めるために、メンバーの進捗状況を把握して、できるだけ早く修理を完了できるように努めています。

―アフターサービスの仕事で大事にしていることはありますか?
西川 「できない」と言わないことです。何ができるかを考えて、ユーザーさまにはできることを伝えます。たとえば、破れなら時間と費用をかければ基本的には直せますし、これまで難しいとされていた経年劣化についても、接着剤や防水剤などが進化していて、対応範囲が広がっています。

それでも、厳しいケースはあります。ランドロックのパネルのファスナーが開閉できなくなったという依頼のときも、一度はお断りしようかと考えました。ファスナーは一部の修理ができないため、全部を交換しなければならず、また、修理のために多くのパーツを外す必要もありました。時間も費用もかかる上に、元道りにならない可能性も。

それでも「愛着のあるテントだからどうしても」というユーザーさまの思いを叶えたくて引き受け、丸2日をかけて、修理しました。

ユーザーさまの気持ちに応える。

―アフターサービスの仕事で印象に残っているエピソードを教えてください。
西川 3年ほど前、テントの傷や汚れを気にされて、修理の問い合わせや依頼を何度もしてくださった方がいました。なぜこんなに続くのかと気になっていたところ、ある時、その方が来ているとHQのスタッフから連絡が。キャンプを100%楽しめるよう、もし不信感や不安があるのなら解消してあげたいという気持で駆けつけました。

HQで直接会って話を伺い、疑問に答え、汚れの落とし方やケアの仕方、修理のタイミングの見極め方などをアドバイスしました。「わざわざ来てくれてありがとう」と喜んでいただき、その後、修理の問い合わせが減りました。電話やメールではくみ取れない、ユーザーさまの気持ちがあるのだと気づけたことは、私にとって大きな収穫になりました。

―今後の展望や目標などを教えてください。
西川 テントもギアも使っているうちに傷んだり壊れたりします。新品には戻せませんが、フィールドで使えるようにして、末永く傍らで使ってもらいたい。そのために、アフターサービスでは、一人ひとりの技術力を上げ、メンバー同士の連携を図り、効率を高めていかなければと思っています。

また、破損の状況や経緯、ユーザーさまの声を開発や製造にフィードバックして、品質向上につなげていくのも私たちの大切な役割です。スノーピークを信頼してくださるユーザーさまの気持ちに応えるためこれからも頑張っていきます。

Epilogue

今回の「修理の先にある絆」、いかがでしたでしょうか。長く使ってきた道具とあなたが織りなす時間は、どんなに優れた新製品を買っても手に入ることはなくて、その時間を、人は「愛着」と呼ぶのだと思います。

新潟・福岡にあるアフターサービスルームには、今日も遠方から修理の必要な道具たちが届きます。壊れたら捨てるのではなく、大事になおしてまた使って欲しい。そんな想いを込めて今日も丁寧に修理にあたっています。もしも、道具が壊れたらいつでも私たちスノーピークにお送りください。想いを込めて修理し、皆さまにお戻しいたします。