無形の記憶。
音は、かたちを持たず、
空間に生まれ、
やがて静寂に還っていく。
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2026
AUTUMN / WINTER
Snow Peak
音。
耳に触れた響きは、
その瞬間の光や温度、
景色や匂いと深く結びつき、
記憶の奥底で静かに揺蕩う。
風が木々を抜け、
水が流れ、大地が呼吸する。
きっと、自然のはじまりから
この世界には音が満ちていた。
天籟(てんらい)。
それは、人の手によらず、
天地のあわいに生まれる響き。
同じ風が吹くことも、
同じ水音が生まれることもない。
自然も、音も、人もまた、
ひとつの場所に留まることなく、
絶えず移ろい流れていく。
私たちのこの手も、この息も、
大きな営みのなかにある。
ならばこそ、
人の手が弦に触れ、
息が音となり、
静寂のなかに響きを生むこともまた、
世界に満ちる
ひとつの天籟なのだろう。
Snow Peak Apparel
2026 AUTUMN / WINTER
LOOK
Snow Peak Apparel
2026 AUTUMN / WINTER
models
Marty Holoubek @martyhbass
ermhoi @ermhoi
photographer
Shiori Ikeno @ikenoshiori
stylist
Hiromi Toki @tokichang
hair & make up
Takae Kamikawa @takae.kamikawa
film director
Akari Eda @a_edak
cinematographer
Gaku Kamimura @gakukamimura
colorist
Sota Ito @soota.ito
music
Marty Holoubek @martyhbass
ermhoi @ermhoi
sound
Masaya Tamura @__ju_ni__
transportation
awanokikaku @awanokikaku
production
Mami Chino @prinprinchino
AFTERWORD

肌寒さを感じる季節のあわいに、山梨県北部の、山々を近くに望む土地を訪れた。

東京と山梨の二拠点で暮らす音楽家のermhoiさんとMarty Holoubekさんは、ここ山梨を音楽制作と日々の生活がつながる、もう一つの拠点としている。自然の中へ無理なく溶け込める環境を求めて、二人はこの土地を選んだのだという。

二階建ての住まいに足を踏み入れると、バルコニーへと続く大きな窓からダイニングに柔らかな光が差し込んでいた。都市の日常とは異なる時間の流れのなかで、音をつくり、食卓を囲み、季節の変化に意識を向ける。温かい飲み物を片手に言葉を交わす時間もあれば、それぞれが音楽制作へ集中する時間も大事にしている。

ここには、都市では聴こえない、色々な音がある。針葉樹林と落葉広葉樹林がつくる豊かな植生の間を、清らかな風が吹きぬける音。玄関の落ち葉を竹箒で掃くときの音。松ぼっくりを高く上に投げて遊ぶときの音。

音を鳴らすことと、自然の音に耳を澄ませること。その両方が、この土地での音楽を形づくっている。何かを生み出す時間と、何もせずに周囲の音を聴く時間は、ここでは切り離されることなく、ひとつの暮らしの中に共存している。

自然の近くで過ごすことは、特別な場所へ出かけるということだけではない。光や空気、音の変化を感じながら、日々の時間を少しだけ丁寧に受け取ることなのかもしれない。