【住箱】from PARTNER旅するコーヒー屋。

Prologue

世界的建築家の隈研吾氏とスノーピークにより開発されたモバイルハウス「住箱-JYUBAKO-」。店舗や、コミュニティスペース、宿泊施設、趣味の部屋など、アイデア次第で自由自在にお使いいただけます。

本記事では、「住箱」の活用例を全2回でお送りします。前編では、福岡県糸島の森の中で焙煎所をされており、「住箱」のユーザーである「森とコーヒー。」の店主・山田さまのお話を伺いました。

【INDEX】
 1. 旅するコーヒー屋。
 2. 住むを自由にしてくれる「箱」。

コーヒー豆、ドリップバッグの他、日々の休息につながるようなコーヒーシーンを提案している。

森の中にある移動式のコーヒー屋。

「森とコーヒー。」は、福岡県糸島市ののどかな森の中にある、コーヒー豆の焙煎と販売をメインにしたお店です。カフェではありませんが、商品を購入された方にドリップコーヒーを1杯サービスしていて、お店の前に広がる緑を眺めながら、ほっと一息、コーヒーを楽しんでもらっています。都会に住む人にとって非日常の、鳥の声しか聞こえない場所。コーヒーの味わいも格別です。

僕はもともとキャンプが好きで、自然の中で飲むコーヒーが日常の疲れを癒し、幸せな気分にしてくれることを体験してきました。その素晴らしさをたくさんの人に味わってほしくて、この場所でコーヒー屋を始めました。

オープンは2019年1月。その1年前からオンラインショップや独自のイベント、SNSを通してお客さまとのコミュニティ作りを少しずつ行ってきて、おかげさまで福岡県内から九州全域、週末には中国地方からも多くの方が来られます。

すごく分かりにくい場所なのに、わざわざ探して来てくれる。本当にうれしいです。

お店のコンセプトは「自分に帰ろう、森へ行こう。」

僕らの生き方と合致した「住箱」のコンセプト。

僕は地元の札幌で12年間、公務員をしていました。ゆくゆくはコーヒー屋をやりたい、住まいも変えたい、できれば暖かくて自然豊かな場所へ…と考えていたところ、妻が旅行で立ち寄って気に入ったという糸島が候補地に。何度か足を運んでみると、自分たちのライフスタイルに合う、環境的にも申し分ない場所だなと思い、移り住むことを決めました。

開業にあたって、建物を建てるか借りるかしようと思っていましたが、なかなか合う条件がなかった。そんなときスノーピークのモバイルハウス「住箱」を見つけました。

最初に心を動かされたのは、見た目のインパクト。しかも、コンセプトが「旅をする建築」。まさに自分たちが思い描くお店の世界観とぴったりで、ほぼ即決でした。

焙煎機と商品棚を「住箱」の中に設置して、僕らのお店はスタートしました。納車時の動画をSNSで配信したんですが、個性的なかたちのお店は誰の目にもインパクト大。興味を持った方がお店に来られ、「中を見せて」と言われることもよくあります。

コーヒー豆やドリップバッグを購入された方に、試飲としてコーヒーを提供している。

移動は大前提。行く先々でお店のファンをつくりたい。

開業当初はコンパクトな空間が作業場にちょうどいいなと思っていたんですが、ありがたいことにお客さまも増え、扱う商品数と接客スペースを考えるとちょっと手狭になってきた感じはあります。うれしい誤算です。

そして、まだ時期や場所は未定ですが、引っ越ししようと思っています。僕ら夫婦のテーマ「住みたい場所に住み、やりたいことをやる」というのが根底にあって、お店を移動しながらやっていくことは前々から考えていました。

ビジネスモデル、と言うと大げさですが、例えばノマドワーカーみたいに働く場所を選ばないスタイルがあるように、店舗ごと移動するコーヒー屋があってもいい。「住箱」を選んだのもそんな理由があったからです。

それにはやっぱり、その土地その土地でしっかりファンをつくっていくことが大事。さらにオンラインショップを活用して全国に広げていく。それが両立できて初めて確立するスタイルだろうなとは思います。

これから何回移動するかわからないですが、新たに出会うたくさんの方々に、僕らのコーヒーとお店のスタイルを好きになってもらえたらいいなと思っています。

Epilogue

いかがでしたでしょうか。後編は、最初の出会いからお店ができるまでを見届けたスタッフの目線で振り返ってみたいと思います。スノーピークモバイル銀座で「住箱」の営業を担当する鎌滝がお話しします。

<後編はこちら>