【65周年企画】vol.3 from STAFF“近所のおばちゃん”のように。

Prologue

ユーザーとキャンパーとしてつながるスノーピークのスタッフ。だからこそ、プライベートで一緒にキャンプに出かけることも、珍しいことではありません。

創業65周年記念企画として、キャンプを通じて生まれた、肩書きを越えた温かなつながりをシリーズでご紹介します。

今回登場するのは、エリアマネージャーの藤坂。店舗スタッフ時代から10年来のお付き合いだというユーザーの山下さんファミリーと一緒にキャンプをしながら、両者の関係性や、自身のキャンプ観について話を聞きました。

◇虫嫌いだった私が…

現在は、マネージャーとして複数の直営店をまとめる藤坂。

藤坂:
「初めてのキャンプは2000年ごろ。保育園のパパ友ファミリーからのお誘いがきっかけでした。ちなみに私、虫が大の苦手なんです。だから、旦那が『キャンプを始めたい』と言った時には人生最大の夫婦ゲンカをしましたね(笑)。

うちには子どもが4人いて、子どもたちが小さいうちはどこへ連れて行くにも大変。でもキャンプなら、子どもが走り回っても怒らなくて済むし、のびのびと遊ばせることができるかも。そう思って、初めてのキャンプに出掛けました」

今回は愛犬「きなこ」も一緒にキャンプ。

「『私は絶対にコテージで寝る』と思って臨んだ初キャンプは、お酒の酔いもあって、テントでぐっすり眠ってしまいました(笑)。耳に入ってくるのは、心地いい川の音と虫の音。その経験のおかげで、キャンプのイメージが一転しました。

子どもたちも楽しそうだし、何よりも家では何もしない夫が一生懸命テントを張って、ご飯を作っている。日常では見られない夫のかっこいい姿を、子どもたちに見せるのも大事だなと思うようになりました。そこから、家族でのキャンプライフが始まりました」

◇雪中キャンプに魅了。

藤坂:
「今でも鮮明に覚えているのが、スノーピークで働く前に訪れた大鬼谷オートキャンプ場での雪中キャンプ。
 
今ほどインターネットが普及していない時代で、現地の詳しい天候もしっかり確認できないまま出発。真冬にも関わらず、オープンタープのヘキサを持って行きました。

すると、現地は60cmほどの積雪!今思えばとても無謀なキャンプでしたが、それでも雪の中で過ごす時間は特別でした。それまで、スキー以外で雪に触れたことがなかった子どもたちは、一面の雪に大興奮。この経験から雪中キャンプが家族の定番になりました。

30歳になった長女は、今でも冬になると『雪中キャンプに行きたい!』と言います」

2012年、スノーピーク箕面で「ウィンターキャンプ」を開催。冬キャンプの楽しみ方を伝えた。

「2009年。アルバイトで入ったスノーピークストア西宮今津店で正社員になって、一番やりたかったことは雪中キャンプにユーザーさんを連れて行くことでした。今となってはキャンパーに人気の雪中キャンプですが、当時はまだメジャーではなく、冬季に運営しているキャンプ場も少なかったものです。

そんな環境下で始めた雪中キャンプ企画は、年間20組ほどのユーザーさんと10年間続きました。初めて雪中キャンプをする方にそのおもしろさを伝えたかったので、参加者は新規の方限定。

たくさんのユーザーさんと出会うきっかけになりましたが、今も仲良くしてもらっている山下さんファミリーも雪中キャンプ参加者の一組。

当時5歳くらいだった娘のあゆちゃんがものすごく楽しそうな表情で、雪だるまや階段を作っていたのが印象的でした。『楽しい?』って聞いてみると、『こんなに雪を触ったことがないから、すごく楽しい!』と満面の笑みで教えてくれて。あの時の表情は今でも忘れられないです」

◇身近な存在でありたい。

幼いころから成長を見守ってきた、山下さんの娘さんと。

藤坂:
「店舗に立っていた頃は、店頭やイベントで山下さんご一家とお会いするたびに、成長するあゆちゃんを微笑ましく見ていました。自分の子どもたちの昔の姿と重ねているところもあったかもしれません。

おしゃべり上手な奥さんのキャラクターも大好きで、いつもお話しするのが楽しみでした。それに普段は無口だけど、話し出すと意外な一面を見せる山下さんもまたおもしろくて、出会って何年も経つのにいまだに発見があります」

2020年。藤坂が勤務していたSnow Peak Storeスポーツオーソリティ西宮今津店にて。

「初めて会った頃はまだ未就学児だったあゆちゃんも、今や中学一年生。クラブ活動が始まり、昔ほど家族一緒にキャンプへ行く機会は減ってしまったようですが、それでも『藤坂さんとキャンプに行きたい!』と言ってくれていると聞きました。中学生くらいになるとよそよそしくなる子も多い中、変わらず慕ってもらえるのはうれしいですよね。

私自身は店舗から離れましたが、逆に休みが合わせやすくなって、プライベートでもキャンプをご一緒できるようになりました。これからも近所のおばちゃんのような感覚で、山下さんファミリーとお付き合いしていきたいです」

Epilogue

いかがでしたでしょうか。自然と人、人と人をつなげてくれるキャンプ。その力によって生まれた、ユーザーとスタッフの深い絆があるからこそ、スノーピークはコミュニティブランドとして今日まで歩み続けることができました。
  
今後もユーザーとスタッフのエピソードをご紹介してまいります。どうぞお楽しみに。

記事の中で登場した製品はこちら。