【コラム】 from STAFF愛着図鑑 vol.16
Snow Peak Storeスポーツオーソリティ西熊本Kazunori Tagawa/田川 和典
【愛用歴14年】
トレック6
僕が山登りを始めたのは24~25歳の頃。友達に誘われたのがきっかけでした。当時福岡に住んでいて、誘ってくれた友達と一緒に太宰府天満宮の裏手にある宝満山に日帰りで登りに行きました。それが僕の初めての登山です。
その後、くじゅう連山や由布岳など九州のいろいろな山に友達と登りに行くようになり、そのうちに「雪山に挑戦したいね」という話に。
雪山登山には登山靴に付けるアイゼンが必要だと知り、スノーピーク太宰府店でこのトレック6を買いました。手頃な価格で、九州の雪山に登るには軽アイゼンがちょうど良さそうだと思ったからです。
さっそく登山で使ってみると、アイスバーンのような場所もストレスなく歩けました。雪面に金属の爪がサクサクと食い込む感触が気持ちよかったですし、安心感もありました。
登山にもっともハマっていたのは、スノーピーク入社前の20代の頃。当時は毎年大晦日に友達とくじゅう連山に行っていました。坊ガツルという場所でテント泊をして、近くの法華院温泉でお湯に浸かって。翌朝はご来光を眺めるために、山頂を目指して登りました。
雪があるところは、トレック6の出番。コンパクトなので、ザックのサイドポケットに入れて、お守りみたいな存在でした。登りよりも踏ん張りにくい下りの時に、特に重宝しましたね。
そんなふうに、雪山の思い出は今でも鮮明に記憶に残っています。圧倒的に美しい景色を見られるのが楽しみでしたし、それがアウトドアにハマったきっかけでした。さらに、下山後に野営をしながらみんなでワイワイするのも好きで、そこからキャンプの楽しさを知り、スノーピークへ入社するに至ります。
スノーピークという会社の歴史は、こうした山道具を作るところから始まっているのですが、創業者が燕三条の職人と作った当時のアイゼンを本社で目にした時は、やはり感慨深かったです。トレック6への愛着がさらに深まりましたし、これからも長く大切に使っていこうと改めて思いました。
今はもう生産していませんが、スノーピークの歴史を感じられる製品であり、僕が初めて買ったスノーピーク製品でもあるトレック6。いつかまたあの頃のように雪山にチャレンジして、その時にはまた必ず持って行こうと大事に持ち続けています。
Epilogue
いかがでしたでしょうか。長く使ってきた道具とあなたが織りなす時間は、どんなに優れた新製品を買っても手に入ることはなくて、その時間を、人は「愛着」と呼ぶのだと思います。
新潟・福岡にあるアフターサービスルームには、今日も遠方から修理の必要な道具たちが届きます。壊れたら捨てるのではなく、大事になおしてまた使って欲しい。そんな想いを込めて今日も丁寧に修理にあたっています。
もしも、道具が壊れたらいつでも私たちスノーピークにお送りください。想いを込めて修理し、皆さまにお戻しいたします。