【コラム】 from STAFF雪のおと。
Snow Peak HEADQUARTERS 店長Asami Naito/内藤 あさ美

Prologue
社員である前に、キャンパーであれ。日本をはじめ、世界中のスノーピークのスタッフは、それぞれの「野遊び心」を開放して、自然の中でも、くらしの中でも、全力で野遊びを楽しんでいます。
今回、話を伺ったのは、HEADQUARTERS Campfieldに併設するストアの店長、内藤です。豪雪地帯として知られる三条市下田で勤務する内藤は、「他の季節では味わえない魅力が冬のHEADQUARTERSにはある」と言います。
雪は風景を白とグレーと黒のモノトーンの世界に一変させるだけでなく、その冷たさで人の感覚を鋭敏にして、朝も昼も夜も「いつもとは違う風景」「いつもとは違う感動」をもたらすのだそう。そんな雪の世界の楽しみ方を内藤に聞きました。

スノーシューを履けば、雪の上をすいすい歩くことができる。
朝、きらめきだす雪原。
冬といえば雪中キャンプ。その中でも一番好きな時間は朝です。5時くらいの、まだランタンが必要な薄明りの時間。そもそも夏に比べるとキャンパーは少なく、その時間に起きているなんて私一人。
だれの足跡もついていないフィールドは一面真っ白で、朝日が昇っていくと、雪原が光を反射してきらきらときらめきだす。冬の朝にしか出会えない絶景です。これが見たくて、冬は休みの日はもちろん、仕事終わりにもキャンプをします。
夜にも冬ならではのことがあります。雪中キャンプではテントの雪下ろしが必要かどうかを確かめるため夜間に何度か起きるのですが、こういうスリルというか厳しい感じは嫌いじゃないです。自然に近い感じがして。それに、寒いなーと思いながら見上げた空に星がいっぱいだったりすると感動もの。だから、今では、他のどの季節よりも冬のキャンプが好きです。

雪の降るこの季節にしか味わえない体験がある。
大好きな冬のアクティビティといえば。
雪のアクティビティでは、何といってもスノーシューでのウォークが楽しいです。スノーシューとは現代版のかんじきで、これを付けると雪にずぼずぼ沈むことなく歩けるんです。だから、車の入れない木立の中やちょっとした斜面も歩けちゃう。特に、ふかふかの新雪の上を歩くのは格別です。
小動物の足跡は大人も子供もテンションが上がるポイント。ジグザグな足跡はタヌキ、後ろ足と前足が特徴的なものはウサギ、など、分かることもありますが、実際はなかなか動物とは会えないので、謎の足跡もあります。もしかしたら、もっと面白い動物がいるのかも(笑)。
雪が降ると、積もった雪で見る方の視点が上がったりして、見慣れた風景が一変します。何年か前に、キャンプイベントでお客さまと一緒にナイトウォークをした時には、雪×夜のダブルの効果でいつものフィールドが幻想的な雰囲気に。焚火も感動が何割増しにもなりました。

寒いから、保温ボトルの白湯が体にしみわたる。
みんなに体験して欲しいから。
非日常的な雰囲気に浸れる冬のフィールドっていいよね、とスタッフ全員で話し合ったことが、HEADQUARTERS Campfieldでのスノーシュー体験ツアー開催に繋がりました。多くの方に体感してほしいので、2021年に、まず日帰りの楽しいコンテンツをみんなで企画したんです。
雪原を歩いて、ソリや雪合戦などの雪遊びを楽しんで、帰ってきた後には焚火を囲みながら、焼きマシュマロなどのおやつでほっこり。スノーシューが履ければ、未就園のお子さんからOKです。2022年は2月の週末に計画しているので、みんなでワイワイ楽しみましょう。
とはいえ、雪がなくては遊べないアクティビティ。限られた期間のツアーなので、天候についてはスタッフみんなでドキドキしています。この機会を逃したら、来年になっちゃう。もっと雪が降ってほしい、という思いもありますが、どうなるか分からないことも自然の楽しみですね。

雪上には非日常の世界が広がっている。
Epilogue
いかがでしたでしょうか。今年のスノーシュー体験ツアーは2月11日(祝金)・13日(日)に開催予定。もし出掛けたことがないのなら、冬のフィールドを歩いてみませんか。街の雪景色とは違う、大いなる純白の野には、知らなかった世界が広がっています。きっと新しい楽しみが見つかるはずですよ。