【栃木県】 from STAFFキャンプ場ができるまち、鹿沼(前編)

Prologue

2024年、関東初となるスノーピーク直営キャンプフィールドが栃木県鹿沼市にオープン予定です。これは「思川開発事業(南摩ダム)」の整備に伴い、鹿沼市が整備する水源地域振興拠点施設の指定管理予定者としてスノーピークが選ばれたもので、豊かな自然を活かし、地域とのつながりを大切にした施設を目指して、現在、着々と準備が進められています。

これに先駆けて、2021年11月に利用者を想定したモニタリングキャンプを実施。鹿沼という街の魅力に触れていただくためのイベントです。

今回は、モニタリングキャンプを控えた9月のある日、キャンプのコンテンツ集めに鹿沼の街をリサーチしたスタッフによる現地フィールドワークと、キャンプ当日の様子を、前編・後編に分けてご紹介します。まずは前編、ご案内するのはスタッフの年見です。新鹿沼駅前でレンタサイクルを借りて、いざ出発!

【INDEX】
 1. キャンプ場ができるまち、鹿沼(前編)
 2. キャンプ場ができるまち、鹿沼(後編)

早速、一面の蕎麦畑が出迎えてくれた。白い花畑があちこちに。

名物「手打ちそば」に感動!

鹿沼ってどんな街? ワクワクしながら自転車で移動していると、白い花が一面に咲く花畑があちこちに見られました。これは蕎麦の花。鹿沼は蕎麦が有名なのです。こんなに広い蕎麦畑を見たのは人生で初めてかもしれません。

鹿沼では、地元の方が自分たちで蕎麦を収穫して、おうちでも蕎麦打ちをしているんだとか。家に蕎麦打ちの台があるのは普通なんだそうです。この日は蕎麦打ちを見学し、打ちたての蕎麦をごちそうになったんですが、とにかく香りが豊かでびっくり。皆さんにもぜひ味わってほしい! ちょっと感動するレベルでした。

この地域は川が多いなという印象を受けました。もしかして、水がきれいだから蕎麦がおいしい? 鹿沼の自然に感謝です。

鹿沼の鎮守、今宮神社参道沿いのコーヒースタンド。

どこか時間がゆっくりと流れるような、古き良き街並み。

鹿沼の鎮守・今宮神社に続く参道に、古民家をリノベーションしたおしゃれなカフェ「日光珈琲朱雀(すざく)」があります。こちらのオーナーさんは、空き家活用のプロデュースから起業コンサルに至るまでさまざまな取り組みを手掛けながら鹿沼の地域を精力的に盛り上げている方のようで、このカフェもそのうちの一店舗だそうです。

コーヒー片手に宿場町散策もおすすめ。

このエリアには、他にもレトロな雰囲気のお店や古い建築を活かした建物が並び、景観を損ねないような街並みが続いています。若い人たちも、昔ながらの街の良さを魅力に感じ、その雰囲気を大切にしながら街づくりに関わっているんだろうなと感じました。

道の向かい側には「まちの駅新・鹿沼宿」があり、地元の新鮮な野菜や名産品も手に入ります。この日も地元の方々で賑わっていました。

職人・吉原さんと。工房内には繊細な組子細工がたくさん。

鹿沼に伝わる匠の技「鹿沼組子」に挑戦!

鹿沼の伝統工芸である鹿沼組子の「吉原木芸」さんに伺いました。栃木といえば日光東照宮、かつては各地から木工細工の敏腕職人たちが鹿沼に集まり、その名残でその技術が地域に根付いたそうです。

しかし最近は建物に組子が使われなくなり、職人さんの数も少なくなる一方。鹿沼が誇る優れた技術を、ぜひ未来に繋げてもらいたいものです。

釘を使わない、切り込みを合わせて繊細な模様をつくる。

吉原木芸さんでは組子体験ができるとのことで、私もヒノキの木でコースター作りに挑戦してみました。いろんな大きさ・厚さの木を20~30本組み合わせて模様を作るんですが、結構頭を使うんですよ。完成したコースターはとてもいい香り! 大切に使いたいと思います。モニタリングキャンプでもワークショップで皆さんに体験してもらう予定です。

<鹿沼組子について詳しくはこちら>

鹿沼に来たらぜひ寄っていただきたいカレー屋「アーナジャーナ」さん。

本格スパイスカレーが味わえるカレー屋さん。

キャンプ場から自転車で15分ほどの場所にある、おいしいカレー屋さん「アーナジャーナ」に到着。以前、店主さんが我々スタッフのために、キャンプ場予定地でカレーを振る舞ってくださったことがあるんですが、今回初めてお店にお邪魔することができました。

地元の旬野菜を活かした南インドベースのスパイス料理は絶品。

実は私、カレーが大好きで、東京のカレー屋さんはかなり巡っているほう。でもまさか鹿沼で、これほど本格的なスパイスカレーに出会えるとは! 南インド地方の「ミールス」と呼ばれるタイプのカレーで、複雑なスパイスが絡み合う衝撃のおいしさです。

「アーナジャーナ」店主の中山さんは、お子さんが生まれるタイミングで自然の恵み豊かな鹿沼に移住してきたとか。今、子供たちは元気いっぱいに山の中を駆け回っているそうで、子育てにも魅力的な地域のようです。

おいしい湧水に遭遇! 自然の恵みを味わう。

キャンプ場予定地からダム計画地の奥の方へ足を延ばすと、南摩川の水源地があります。岩の間から湧き出していて、こんな所から出ているの?と驚きながら、そのまま一口飲んでみると、冷たくて、少しとろっとしたなめらかさを感じました。自然の水ってこんなにおいしいんだ!と目が覚めるような味がしました。

私は水筒を持っていたので、湧水を汲んで持ち帰ることにしました。キャンプ場で沸かしてコーヒーやお茶をいれたら、きっとすごくおいしいと思います。キャンプ場を利用される皆さんには、空のボトルを持って周辺を見て回っていただくことをおすすめしようと思いました。

Epilogue

自転車で1日いろんな場所を巡って、ようやくキャンプ場予定地に到着しました。この場所から鹿沼の里山風景を眺めて、改めて感じたことがあります。

ここにスノーピークのキャンプ場ができることで、鹿沼の自然の魅力をより引き上げられたらいいなということ。豊かに残る自然や文化を活かしていくことによって、地域の良さを感じられる拠点にしていけたらうれしいです。

鹿沼の魅力は自然だけでなく、地元の人たちの温かさも大きな魅力。地域の皆さんと交流することの楽しさも伝えられたらいいなと思います。

後編では、11月に行われたモニタリングキャンプの様子をご紹介します。

<後編につづく>