スノーピークスタッフが見つけた、“頑張らない”ワザ。ファミリーキャンプで「ゆとり」をつくるには

初めて子どもを連れて行くキャンプ。あれもこれも頑張りすぎてしまい、せっかくの時間が気疲れの連続に……そんな方は多いのではないでしょうか。
 
我が家は、私と妻、娘(2歳になったばかり)の3人家族。私も1年ほど前は頑張り過ぎていた1人ですが、試行錯誤を繰り返しファミリーキャンプの楽しみ方を探ってきました。
 
今回は、ファミリーキャンプをしたい方に向け、賢く「手抜き」をしてキャンプの本質を楽しむコツをお伝えします。ほんの少しでもみなさんの後押しができればと思います。

コツ① まずは「近場」を選ぼう

慣れないうちは、近場のキャンプ上を選ぶのがおすすめ。場所も大切ですが、移動時間も含め、家族一人ひとりの負担を考えましょう。そのうえで「家族との時間をどう過ごすか」を優先して考えることが、キャンプをより楽しむコツです。

私がこのことを気づいたのは、子どもが生まれてから初めて3人でキャンプに行ったとき。

選んだのは、当時住んでいた愛知から休憩を挟んで片道4時間ほどの京都のキャンプ場でした。
 
一泊二日を無事終えられたことへの満足感を感じ始めた帰り道に、娘が突如大声で泣き始めました。何をしても落ち着かせることができず、結局そのまま約1時間、家に着くまで娘は泣き止みませんでした。
 
何とか帰宅できた安堵と同時に私が感じたのは、これまでのキャンプでは味わったことのない、とてつもなく大きな疲労…。長時間の移動、初めての子連れでの宿泊、虫刺されや怪我への不安など、不慣れなことの連続で、家族全員疲れてしまいました。特に生まれて5ヶ月の娘には、大きな負担となったのでしょう。
 
早く子どもをキャンプに連れていきたい一心でしたが、自分本位な考えだったと深く反省しました。

コツ② 子どもにのびのび「お昼寝」させよう

ファミリーキャンプでは、子どもの成長に合わせて、子どもにも簡単な準備や片付けなどのお手伝いをしてもらいたいものですが、それは我が家にはもう少し先の話です。
 
子どもが小さいうちは、子どもがよく寝てよく遊べるスケジュールを組むのがおすすめです。子どもの生活サイクルにキャンプのスケジュールを合わせるよう心掛けています。
  
我が家では、子どものお昼寝する時間とキャンプ場へのチェックイン時間を合わせています。

子どもが起きた時にある程度の準備が終わっていれば、残りの時間は、一緒に全力で遊ぶことができます。たくさん遊べば、夜はぐっすり寝てくれます。

「エントリーパックSS」は、滑らかな触り心地で、寝苦しい夏の夜でも気持ちいい。これからキャンプを始めたいご家族におすすめの寝袋です。

コツ③ 料理は「簡単」にできるものでOK!

料理は、手間をかけることよりも、子どもと一緒に楽しむことを優先しましょう。

キャンプ場での調理は、具材をかき混ぜるだけ、盛りつけるだけ、加熱するだけなど、簡単にしておくとベストです。

我が家ではキャンプ前日の準備はしっかり頑張ります。料理も、前もって料理を仕込んでおくことで、キャンプ場では手間をかけずとも凝った料理を美味しく食べられるのです。

持っていく道具も、できるだけシンプルに。

キャンプ場での簡単料理に便利な「グリルバーナー雪峰苑」は、我が家の欠かせないギアの一つ。ガスカートリッジを使って手軽にBBQができ、炭の準備や片付けの手間が省けます。

オプションのたこ焼きプレートを合わせて使えば、さらに楽しみ方の幅が広がりますよ!

BBQのおとも「ピッツ」もお忘れなく。

コツ④ 宿泊施設をうまく活用しよう

テント泊は季節によって必要な装備が大きく変わります。

特に、四季の移ろいを感じられる秋と冬は、キャンプをするにはとても良いシーズンですが、春夏のキャンプとは異なる装備が必要ですし、子どもを連れていくには不安に感じる方も多いと思います。

そんなときはコテージなどのように安心して宿泊できる施設を使うのもオススメです(もちろん、デイキャンプから始めるのも良いでしょう!)。

みなさん、スノーピークの「住箱」はご存知ですか?屋内に居ても自然の中のように感じられる、木製のトレーラーハウスです。

我が家は、昨年2月に住箱での宿泊を体験しました。場所はスノーピーク十勝ポロシリキャンプフィールド。
 
当時「何とかしてポロシリで雪中キャンプをしたい!」と考えていましたが、少し無理をしてしまった初回のキャンプ経験を踏まえて、住箱への宿泊に切り替えました。

この選択が大正解。最低気温が-20℃を下回る環境なのにも関わらず、住箱での宿泊は快適そのもの。大きな窓からは非日常的な美しい雪景色が一面に広がり、自然の中にいるような安らぎを感じられました。
 
日中は全力で雪遊びを楽しみ、夜はランタンの灯りを囲んでゆっくりとした家族の時間を過ごす。そして寒さを心配することなく安心して眠る。その安心感が家族の心にゆとりを与え、リラックスした状態でキャンプを楽しむことができたのです。

ぐっすり眠れたその日は、最高の朝を迎えることが出来ました。

「余裕」がもたらす、ファミリーキャンプの本当の楽しさ

今では、「不安があれば無理はしない」ことが、我が家の重要なキャンプルールになりました。出かけるときの準備は万全に。でも荷物や計画は詰め込み過ぎずに、少し肩の力を抜いて。

1年前は、景色やテントの写真だけだったスマートフォンのアルバム。余裕を持てるようになってからは、子どもの写真で埋め尽くされるようになりました。後になって見返すのも楽しみのひとつです。
 
家族みんなが成長し、互いの絆も深まる。それが私の思うファミリーキャンプの一番の魅力です。これからも子どもの成長を見守りながら、キャンプを通じて家族の時間を過ごしていきたいと思います。
 
ぜひ今年から、ファミリーキャンプをはじめてみませんか?
 
 
追記:
コラムを書いている今このときにも、目まぐるしく私たちを取り巻く環境が変わってきています。事態が収束し、心置きなくキャンプを楽しめる日常が一刻も早く戻ることを願っています。