【コラム】 from STAFF背景を知り、食べる旅。
新業態開発課 マネージャーYuichi Kugimoto/釘本 祐一
Prologue
食べることは「自然とつながる体験」のひとつです。一年中さまざまな食材が不自由なく手に入り、24時間いつでも気軽に食べ物を買うことができる現代。目の前の食材が、どんな場所で、どんな人によって作られ、私たちの手元に届くのか。
その具体的な背景を知れる機会はそう多くなく、「食材から自然を知る、感じる」という感覚は薄れつつあるかもしれません。
今回話を聞いたのは、シェフの釘本です。Snow Peak Eatのメニュー開発などを担当する傍ら、「LOCAL FOOD TOURISM」の立ち上げ当初から中心メンバーとして携わってきました。
LOCAL FOOD TOURISMは、ユーザーのみなさんとともに、日本の食を支える各地の生産者さんたちのもとを訪ねる旅。「食を通じて自然と人、人と人をつなげたい」という釘本に、LOCAL FOOD TOURISMに込めた思いを聞きました。
◇生産地に泊まる体験ツアー。
自分たちが寝泊りをするテントの設営から。
スタッフ 釘本:
「現代は、いつでもどこでも手軽に食事をすることができて、本当に便利だと思います。ただ、それらがどこでどのように作られたものなのかは、実はあまり知られていません。
どんな場所で、どんな想いでつくられたものなのか、食材の背景を知ることで、『食べる』という行為はもっと特別な体験に変わると思います。だからこそ私たちは、お客さまに食材の背景を知っていただきたくて、Snow Peak EatやRestaurant 雪峰のメニューには食材の産地や生産者さんの名前を入れています。
そして、それだけではなくて、お客さまと生産者さんとのつながりを他に提供する方法はないかな?と考え、『LOCAL FOOD TOURISM』というキャンプイベントを2020年から始めました。
LOCAL FOOD TOURISMは、スノーピークスタッフとともに食材を提供してくれている生産者さんに会いに行き、その土地ならではの食文化や生産者さんの暮らしを体感するイベントです」
◇さまざまな「食」にまつわる体験。
自ら収穫した朴葉をしいて焼き上げると青々としたいい香りに仕上がる。
スタッフ 釘本:
「実際にその土地に行って寝泊まりをして、その時に採れた食材を現地で食べる。それはとても価値のある体験となり、初回から参加したお客さまには喜んでいただくことができました。
第1回目は、2020年夏にランドステーション白馬で開催しました。 お客さまにはテントの設営から体験していただき、 その後にアウトドア料理教室を開催。天然酵母で作ったパン生地を朴の葉で包み、ダッチオーブンで焚火を使って焼き上げました。
夜は『Restaurant 雪峰』のスタッフによるスペシャルディナー。イベントに参加していただいた生産者さんが作ったお米や信州サーモン、地元野菜など、白馬の自然の恵みを堪能していただきました」
生産者の想いを知った上での収穫体験。
「お腹がいっぱいになったら、焚火を囲んで生産者さんを交えたトークセッション。そこで、生産者さんの日頃の仕事内容や農業に対する想いなどを語っていただきました。
生産者さんと参加者の皆さんが焚火を囲んで話す時間を設けることで、ただの観光ツアーでは得られない、生産者さんと参加者の1対1のつながりが生まれるように感じています。
翌朝はプチトマトの農地で収穫体験をしていただき、みんなで採ってきたプチトマトは、ダッチオーブンを使ってローストして朝食で提供しました」
◇背景を知ると普段の何倍もおいしい!
生産地で口にするプチトマトは格別。
スタッフ 釘本:
「LOCAL FOOD TOURISM の参加者さんたちは、『食事がすごく美味しかった!』と感動されていたのが印象的でした。やっぱり現地に行って生産者の方からいろいろな話を聞いて食べるというのは、普段スーパーに並んでいる食材を買って食べるのとは違う、特別な体験になります。五感を刺激しながら味わうことができるからなのだと思います。
私たちスノーピークが運営するレストランでは、こだわりを持った生産者さんがつくる食材を各地から仕入れていますが、Snow Peak Wayで知り合ったユーザーさんから生産者さんを紹介をしていただくこともあります。 『自然と人、人と人をつなぐ』ことを使命として掲げている、スノーピークらしいご縁です。
全国にたくさんの個性ある生産者さんがいらっしゃいますので、これからのLOCAL FOOD TOURISMでユーザーのみなさんとともに巡ることができたらと考えています」
Epilogue
いかがでしたでしょうか。私たちスノーピークはレストランでご提供させていただく料理だけでなく、LOCAL FOOD TOURISMというイベントを通して、食の大切さや自然の豊かさ、そしてその土地の魅力を発信していきます。
2022年最初の「LOCAL FOOD TOURISM」は、8月27日~28日に長野県白馬村にて開催予定。白馬の大自然が育む「食」と人々の営みを五感で感じる、特別な2日間をぜひご体験ください。気になる方は、特設サイトを確認してみてくださいね。