【コラム】 from STAFFキャンプ写真。

Prologue

社員である前に、キャンパーであれ。日本をはじめ、世界中のスノーピークのスタッフは、それぞれの「野遊び心」を開放して、自然の中でも、くらしの中でも、全力で野遊びを楽しんでいます。

今回、話を聞いたのは、ユーザーサービス課の高梨です。テントとコーヒーを淹れる道具、そしてカメラ。高梨にとってカメラはキャンプの必需品であり、長年の相棒。撮影するのは、壮大な山や空、光や雪がつくりだす一瞬の表情、自然の中に置かれたギアなど、野遊びの時間で出会う様々なシーン。「自然の中では道具さえいい表情を見せる」という高梨に、お気に入りのカットやロケーションについて聞きました。

一瞬吹雪がやみ、雲の切間から光が差し込んだ。

奇跡みたいな一瞬を切りとる。

ずっと吹雪いていたのに、急に雪が止んで、流れる雲の間に青空がのぞいた。その隙間から差し込む光が神々しくて、思わずシャッターを押しました。こういう奇跡みたいな一瞬を切り取れるのがカメラの魅力です。

写真を始めたのは、成人を迎えるタイミングに一つ趣味を増やしてみようとリコーのGR DIGITALを手に入れたから。コンパクトでサクサク撮れるもので、いつも持ち歩いてスナップ撮影していました。

散策に出かけては、人が笑顔になる瞬間を撮ったり、裏路地を撮ったり。不思議なもので、カメラを構えると思いがけないシーンに出合えたり、普段は見過ごすようなことに気づいたりするんです。なぜ普段は見えないんだろうとか、街中で起こることはその時代を映すことだなんて思ったりしながら、どんどんのめり込みました。

キャンプをするようになると、撮影対象は自然とキャンプシーンが中心になりました。スナップ写真と同様、その時々に心揺さぶられる一瞬を切り取る。キャンプギアが好きだから、撮影ポイントに困らないのもキャンプにカメラを持ち運ぶようになったきっかけです。

キャンプのときは必ず連れていく愛機。

温かさや雰囲気ごと撮影したい。

今使っているカメラは、FUJIFILM X-Pro3。フィルム時代の色調や諧調が再現できるので、フィルムシミュレーション機能で映りを楽しんでいます。雰囲気ごと撮影できると言えばいいのか、温度感まで表現できる写真になると言えばいいのか、仕上がりが良い感じで気に入っています。

きれいに撮るには、朝の光がイチバンです。早朝4時に起きて準備することもしばしば。こだわりは、キャンプシーン全体を切り取り過ぎないこと。遠いとギアやテントのディテール、自然の鼓動やエネルギーってなかなか伝わらないので、ある程度寄って撮るようにして、温かさや雰囲気、ストーリー性が感じられるように心がけています。

撮影メインの時はだいたいソロキャンプ。撮影の後は、豆を挽いてペーパードリップで落とした濃いめのコーヒーを飲みながらぼーっとしています。こういう無心に山を眺める時間も含めてが僕の野遊びです。

ロケーションでは、海や川より山が好き。特に、白樺のある高原が好きです。キャンプ場でいうなら、白樺林と綺麗な芝生が広がっている岩手県の岩洞湖や、ありのままの美しい自然が残っている長野県の五光牧場や駒出池。素敵なキャンプ風景を撮りたい方は一度遊びに行ってみてください。

没頭できるからソロキャンプがいい。

自然の中ではギアが表情を変える。

デザイン自体が美しいから、ギアも撮ります。ただそこにあるだけで絵になるから。霧がかかった林間に佇むテント、富士山をバックに揺らめくランタンの灯、湖畔サイトの夜は水辺に焚火の炎が映し出され、その時々訪れる幻想的なシーンやギアの佇まいなど、自分の心に響く瞬間を切り取ります。

金属製のギアは特に好きで、使っているうちに変わっていく質感もよし、周囲の緑が映りこんでもそれはそれでよし。キズやくすみなどの使用感もまた味になる。キャンプに持ち出すと、家に置いていたときとは違って、喜んでいい顔を見せてくれます。で、そこを撮る。

さらに、冬だとギアが一段とたくましく見えるんです。僕自身、冬はまだまだ未体験のことも多いし、だから好奇心も掻き立てられる。これからも雪中キャンプに行って、かっこいいギアの表情を見たり、予期せぬ良い場面に出合えたら嬉しいですね。

焚火に温まりながら確認をするのが至福の時。

Epilogue

いかがでしたでしょうか。オンもオフも野遊びを全力で楽しむキャンパー揃いのスタッフたちが、皆さまのアウトドアライフをサポートさせていただきます。是非、店頭、イベントなどでお気軽にお声がけください。