【開発秘話】品質に、情熱を。ヘキサエヴォPro.

風に強い曲線美。広い日陰をつくる究極のタープ。

風に強く美しいラインが魅力的なヘキサタープもいいが、グループで食事を楽しむなら広い範囲に日陰をつくれるレクタタープもいい。

どちらのタープにも利点があり迷ってしまうが、両方のいいとこ取りをしたタープがある。それがヘキサエヴォPro.だ。

風に強い曲線美を持ちながら、広い範囲にしっかりと日陰をつくることができる。

そんなヘキサエヴォPro.が生まれた背景にある、圧倒的な情熱のストーリーをご紹介します。

ヘキサとレクタタープ。
両方の利点を取り入れた新しいタープとは?

降雨量が多く、夜露でびしょびしょになる日本の気候を考えるとタープは必要不可欠な存在。突然雨が降ってきたからといって、テントに逃げ込んでも中は狭く、食事を作るにも換気の問題でメニューが制限され、「快適」というには程遠くなってしまう。

そんな時に役立つのがタープだ。

夏は、直射日光を遮り日陰をつくってくれる。寒い季節には、タープの下にテントを張れば優れた防寒性を発揮し、夜露も軽減される。タープがあれば、あらゆる天候でのキャンプが身近なものになる。

スノーピークからリリースしているタープは、大きく分けて2種類ある。

1つは、ヘキサ(リーフウイング型)のタイプ。自然の景観に調和するその美しい曲線により、風の抵抗を受けにくいことが利点としてあげられる。

もう1つは、スクエア形状のレクタ(フラッグシップ型)のタイプ。大人数でも十分な有効面積を確保することができる。

人数やシーンにあわせてそれぞれのタープが選ばれてきたが、私たちは、新たなタープの開発に取り組んでいた。それは、リーフウイング型の耐風性とスクエア型の有効面積、その両方のいいところを兼ね備えた究極のタープをつくろうというものだった。

研究の末、生み出された商品こそがヘキサエヴォPro.だった。

図右側「幕体面積」をご覧いただくとわかるとおり、大人数でも十分な有効面積を確保することができる。

美しいラインと強度を求め、試行錯誤の日々。

ヘキサエヴォPro.の形状を形にするまでには、縫製方法で苦戦を強いられた。

ヘキサ(リーフウイング型)は、テンションのかけ方を工夫することでシワを極力なくすことができるが、ヘキサエヴォPro.は、片面3方向にテンションをかけるため、シワを取り除くことが難しい。

生地は、縦軸と横軸に交互に織り込まれているため、その直線上にテンションを掛けた際には強いが、斜めの場合は生地が伸びてしまい、生地自体が弱くなってしまうのだ。

ヘキサエヴォPro.の場合、図のように直線にかかる力と斜めにかかる力が存在する。斜めに生地を引っ張ることで生地自体に無理をさせてしまうため、強度と耐久性の面からなかなか合格が出せなかったのだ。

これまでのヘキサやレクタの縫製方法では解決できず、新たな解決策が求められていた。

1988年にリリースしたウイングタープ。

解決の糸口は、名作ウイングタープだった。

縫製方法について苦戦を強いられる中、開発者は原点に立ち戻り、ウイングタープの構造を思い出した。ウイングタープは、1988年にスノーピークからリリースしたモデル。

ウイングタープはその形状から、有効面積が小さくなってしまうのが難点であったが、独立した両サイドの三角形の延長にテンションをかけるため、頂点に素直に力がかかり美しいラインを生み出し、生地の強度的にも非常に優れていた。

ウイングタープのように無理のないテンションをかけられないだろうか。開発者は、ふと目の前のヘキサエヴォPro.に目をやった。すると、ウイングタープの形状を重ね合わせるかのように縫製ラインが自ずと見えてきたのだ。

「そうか!これでシワをなくせるかもしれない」。

そう感じた開発者は、中央の大きい三角の面と、両サイドの面を一旦切り離し、両サイドの生地の縦目を張り綱(斜めにテンションをかける綱)と同線上にくるように回転。中央の大きい三角の面と再度縫い合わせたのだ。

早速サンプルを作成したところ、予想は的中。

シェルターやテントとリンクするヘキサエヴォPro.。

風に強い曲線美を持ちながら、広い範囲にしっかりと日陰をつくることができ、4〜6人のリビング、キッチンシステムをレイアウトすることができるヘキサエヴォPro.は、スノーピークの最高峰プロラインとしてリリース後、瞬く間にユーザーの間で話題となり広まった。

美しさと有効面積の広さを両立し、シェルターやテントとリンクするヘキサエヴォPro.。ヘキサとレクタ、両方の利点を生かした新しいタープは、こうして誕生したのだ。