島の日常を体験し、本質的な豊かさに触れるLOCAL LIFE TOURISMを通して伝えたいこと

「風が気持ちいいな」
「空気が美味しいな」
「鳥の鳴き声が聞こえる」
「潮のにおいだ」

なんてことない自然のうつろいが心にしみる感覚。最近感じていますか。
街中での生活では忘れがちなこの感覚、そしてその土地ならではの魅力を、Snow Peakというフィルターにかけて多くの人に伝えたい。そんな志からLOCAL TOURISMプロジェクトに手を挙げました。

「島暮らし」。そんな生活に想いを巡らせた人、いるのではないでしょうか。
考えれば、そもそも私たちは「日本」という島国で暮らしているのだけれど…。
今回のLOCAL LIFE TOURISMの舞台は岡山県の離島、「犬島」。「離島暮らし」について。

犬島は、古くは銅の製錬業と採石業で栄え、その後衰退した負の歴史をもちます。製錬所の跡は犬島精錬所美術館となり、「在るものを活かし、ないものを創る」という理念のもと、今となっては瀬戸内国際芸術祭が開催されるなど、〝現代アートの島〟として世界中から多くの人が訪れています。しかし、島の背景には、目を背けてはいけない負の遺産があることも忘れてはいけません。

現在の犬島の人口は30人足らず。平均年齢70歳を超える、元気で温かい島民も魅力です。

島に降り立った瞬間、「あぁ、心地良いなぁ。」
ただ、そこに降り立っただけで、心も体も洗い流されるような温かみ。
島のエネルギーを感じました。

LOCAL LIFE TOURISMのメイン会場となった「犬島 くらしの植物園」。様々な種類の花が咲き、様々な鳥の鳴き声が聞こえる。そんな中にSnow Peakのテントであるアメニティドームとランドブリーズが並ぶ光景は、さながらアート作品でした。

鶏の鳴き声、テントに差し込む光で自然と目が覚めるということ。テントから出たときに、目に入ってくる景色がとてもキレイなこと。犬島のこの場所だからこそ見ることができる景色、感じられる感覚。早くお客様と共有したい。そう強く感じました。

「在るものを活かし、ないものを創る」。
犬島が持つものを、Snow Peakの力でさらに良いものとしてお客様に届けるのです。

今回のツアーのプログラムとしては、お客様と一緒にテントを設営した後、犬島精錬所美術館を含む島内を散策し、ディナータイム。「世界一のレストラン」に4度輝いたデンマークのレストラン「noma」が牽引する北欧料理の新たな食文化の礎を築いた一人、Allan Haunstrup(アラン・ハウンストロップ)シェフの料理です。岡山で採れた野菜や果物、当日会場を散策し、そこで摘んだ花やハーブを使ってアレンジ。まさにその日、その場所でなければ食べられない味です。

美味しさについては…、言わずもがなですよね。

食を通じて、島を味わう。
人を通じて、島を味わう。
自然を通じて、島を味わう。

まさに、「犬島を生きる」「その土地を生きる」ためのプログラムです。ただ観光客として滞在するのはつまらない。せっかく来ていただくのならば、島の恵みを存分に味わっていただきたい。そのためには、ただ決められたポイントを観光するのではなく、そこにある日常を体験していただく。自然豊かな場所にただ”お客さん”として訪れるのではなく、その地域の食や人と深い関わりを持てることは人間の本質的な喜びなのではないでしょうか。

イベント終了後、お客様が乗る船に手を振り、スタッフは撤収作業。その日は風が強く、海は荒れ模様。なんと、その日予定してある船は欠航となり、乗るつもりだった便もいつ出るかわからない状況に。

海が荒れれば、船は出ないかもしれない。
離島に行くということはこういうことなのです。

お客様が乗る船だけでも予定通り出て良かったと安堵しつつ、船を待つ間、島を散策。その合間で、犬島で暮らすおばあちゃんたちとお話ししました。

「この島で暮らしてるわたしたち、いつもこうして集まってね、み~んな仲良しなの!」

その場所へ行くには、船に乗り、海を渡る。いつでも渡れるとは限らない。行きたいときに行けるわけではない。

離島は文字通り、「離れている島」ではあるのだけれど、人と人、自然と人との距離は離れるどころか、むしろ近い場所でもありました。

最近ではネットで情報はほぼ手に入り、ワンクリックすれば翌日に商品が届き、SNSを使えば誰がどこで何をしているのかが分かり、昼夜問わず好きな人と会話ができる時代。動かなくても物事が完結し、外出が減り、自然との接点・人との接点が減っているのでは?

自然の恩恵を得ずにいるのはもったいないです。

ぜひ外へ繰り出してほしい。自然の持つ魅力、その土地ならではのパワーを感じてもらいたい。今回のプロジェクトは、Snow Peakを入り口として自然豊かなその土地を訪れ、その場にいる全員が豊かになるためのプロジェクト。

わたしは、犬島の自然や食、人との出会いで得た感動を今もなお持ち続け、このLOCAL TOURISMを通して今一度、自分の純粋な感覚、人間らしい感覚と向き合っています。