今、この瞬間を味わう。心が整う、野遊びの魅力

突然ですが、量子力学の世界では、目に見える世界は4%しかなく、目に見えない世界が96%占めるとされているそうです。
目に見える世界でもこんなに美しいのに、目に見えない世界は一体どうなってんの!?と、いつも心がワクワクしますが、目には見えませんので感じるしかありません。
目には見えないけれど、自然が持つパワーはきっと存在すると僕は信じています。

今回は、そんな僕なりのキャンプの楽しみ方をご紹介します。

「今」を感じて、自然と一体になる

自然のパワーを感じるのに、キャンプは非常に体感しやすい手段だと思います。
 
僕の思うキャンプというのは、大地から近いところで眠り、太陽の光を感じて、風を感じ、焚き火で語り、月の動きで夢を見るという、自然の法則に逆らわずに“自然と一体になる”こと。それは、今この時、この一瞬に起きていることをしっかりと味わうことです。情報がさまざまに行き交う慌ただしい日常生活で、今一瞬に集中する時間は恐らくごくわずか。自然の流れに身を任せるなんて、なかなか難しいことです。

今この瞬間の感情にフォーカスして、良いとか悪いとか判断をせず、ただありのままの自分を感じること。それがキャンプの魅力であり、原点回帰できる気がするのです。その力は人間の根源的なところに訴えかけるパワーを持っていますし、それが人間性の回復につながると思っています。ありのままの自分を感じると、今この時を大事にして、感謝の心から、その時の自分にとって最も良い選択ができるように感じます。

焚火の時間が与えてくれるもの

自然の中で過ごしていると、時間も忘れて目の前のことに没頭し、普段感じることのなかった新たな感情に気づくことができます。僕の場合は、特に焚き火をしているときに「自分はこんな感情を持っていたんだ!」と気づくことが多々あります。

暖かくて、美しい。焚火って最高ですよね。焚火を囲むと、いつもその場がポジティブな言葉に包まれて、あたたかな気持ちになれます。
僕は、焚火を囲んで誰かとコミュニケーションをとる時、大人も子どもも、男性も女性も役職も関係なく、ひとりの人間として向き合って会話をしている感覚になります。そして目の前にいる人がどんな方であっても、その人から学ぶべきことがあることを焚火の時間を通して教わっている気がします。相手が子どもでも、もちろん。
今、ここに自分がいて、目の前の相手と一つの時間を過ごしていることに対する感謝の気持ちとともに、その選択をした自分自身のことも褒めたくなる…今まで感じたことのない、そんな感情がふいに湧いてくるから、焚火の時間とは尊いものです。

「感情」を目的に野遊びすると…

以前は、もっぱら美味しいお酒を飲んで酔っ払うためにキャンプに出かけていましたが(笑)、最近の僕のキャンプの目的は、このような「感情」を感じることに変わりました。目的が感情ですから、一つ一つの行動が丁寧になりました。準備から設営、料理、片づけ、移動も含めて、撤収まで、家族や仲間ととことん楽しみます。たとえ時間がかかったとしても、それも含めて大切なキャンプの思い出。
目的が感情ですから、中央道が混んでいたら河口湖まで行かずに相模湖でもいいわけです。イライラしたり、焦ったりもしない。
(ユーザーのみなさんの中にはキャンプ道を究めていて所作が美しい方がたくさんいらっしゃるので、そういう方には心の中で「先生!」とお呼びしています。)

最近は、今この瞬間を味わい楽しむということをキャンプだけでなく、日常の生活でも感じられるように努力しています。
何気ない、いつもと変わらない一日をていねいに自分の感情と向き合いながら、ワクワクすることを選択する。そんな「ぜいたく」な日々を楽しんでいます。