多様なライフスタイルに寄り添いながら、さまざまに形を変えるプロダクト「TUGUCA」。その可能性を探るために、各界で活躍する著名人の皆さんに、実際に製品を使っていただきました。
今回登場するのは、元プロスノーボーダー、プロフィッシャーであり、ファッションブランドのディレクターも務める福山正和さん。スノーボードと渓流釣りが、趣味という枠組みを越えてライフワークとなっている福山さんのアトリエで、TUGUCAはどのように機能するのでしょうか。
アトリエのコーナーにTUGUCAを設置。スクエアをベースに、その一面がL字に伸びるようTUGUCA TateとYokoをレイアウトし、福山さん愛用のギアや思い入れのある品を置いてもらった。
福山さんがTUGUCAを設置したのは、群馬県みなかみ町、谷川岳の麓に構えた自身のアトリエ。1階のガレージ、2階の作業場は、どちらもスノーボードや渓流釣りの道具で埋め尽くされていて、創造的で魅力的な空間です。
プロスノーボーダーとして10年間活動し、引退後は自身のアパレルブランド「MofM」を立ち上げた福山さん。代官山にアトリエを構え、10年間、東京で生活をしてきました。
この地に仕事と生活の拠点を移したのは、40歳を迎える前の2013年のこと。「山の前に戻りたい」と感じ、頭に浮かんだのは、それまでも毎年冬には必ず訪れていた谷川岳。「パウダーな雪質と、頂上からの斜度が日本一の場所」と惚れ込んでいたそうです。
谷川岳の山頂を写した写真。友人から贈られたものだそう。
福山さんが魅了された谷川岳。その頂上を移した一枚の写真が、TUGUCAに立て掛けられています。「滑るなら、一番いいときに滑りたい。今日だ!っていうベストコンディションの日は、1シーズンで20回くらい。ここから毎日山の様子をチェックして、“その日”に備えます」と、福山さん。
谷川岳の山頂から少し降りたところが、福山さんの定番ルート。遭難や雪崩に巻き込まれる危険もあり、「生半可な気持ちで行ってはいけない。自分の未熟さをすごく教えてくれる場所」だといいます。それでも、数少ない絶好の機会に滑れたときは、何にも代えがたい喜びを感じるそう。
ヴィンテージのリールを愛用。さらに使いやすくカスタマイズしているそう。
他方には、リールや竿などの釣り道具が。福山さんが渓流釣りに目覚めたのは、移住してしばらく経ってからのこと。それまで日本が春になると、雪を求めて南半球に旅に出ていた福山さんが、初めてこの地で1年を過ごしたとき、自然の移ろいに心を動かされたそうです。
「春の清々しさとか、新緑の青さ。夏は夕立が来て川が増水したり、逆に減衰したり。その変化を全部感じて。1週間で景色が変わっていくのにビックリしたんですよ」。
自然に導かれるまま、谷川岳の登山道だけでは飽き足らず利根川の源流域を歩くなかで、“水の故郷”といわれるみなかみの川の、最高レベルの水質に魅了されたそう。「環境のいいところでやるから、釣りもおもしろいわけです」と、渓流釣りを始めたのも当然の流れだったと振り返ります。
独学ながらも、すっかり夢中に。「魚がかかったとき、グググっと向こうが抵抗するんだけど、その感覚がたまらない。一気にアドレナリンが出て、それを味わうために、また釣りがしたくなるんですよ」。理想のフィッシングウェアをつくるために、自身のブランド「TONEDTROUT」も始動するに至りました。
そうして現在、冬季はスノーボード、夏季は渓流釣りに熱中するという生活を送っています。
TUGUCAの中で設えた作業スペースも、福山さんには欠かせない空間。1年の3分の2は山の中にいて、アトリエで過ごすのは3分の1ほど。アトリエではデスク上での作業が多く、道具のメンテナンスはもちろん、自身のブランドのディレクションやメーカーと共同の商品開発などの創作活動を行います。
ものづくりの場面で活きるのが、福山さんがフィールドの中で培った経験値。スノーボーダー、フィッシャーというプレイヤーとしての鋭い感覚から生まれる意見を、商品開発に反映しています。
スノーピークとコラボした「TONEDTROUT」のフィッシングベスト。ハードな釣行で実際に着用することで、さらなる改良点を気づけるそう。
そんな福山さんに、TUGUCAの第一印象を訪ねると、「自由自在」と教えてくれました。
「アトリエの形や自分の趣味嗜好に合わせて、組み立てるのも、レイアウトするのも自分次第で使いやすくできる。自由なのがいいですね」。
パンチングウォールにフックをセット。熊スプレーなど、釣行に欠かせない道具を掛けた。
「例えば、家族が増えて部屋のレイアウトを変えたいときにも、これなら分解して、シーンに合った形に新たに組み直せますよね。家の中を自分で運べるし、パーツごとにバラしてもそんなかさばらないでしょう。備え付けや大型の家具だと、そうはいかないですよね」と話す福山さんは、二人の子を持つ父でもあります。
「使えなくなったから捨てるというのも面倒だし、もったいないし。家族構成の変化に合わせて、付け足したり、もしくは引き算できたりするからこそ、最終的に長く使えるんじゃないかな。そういうところも、スノーピークらしいですね」。
シングルフックを使って、タモ網(ランディングネット)を掛けた。設置する高さは、お好みで調整可能。
アトリエは、移住当初はさらに山に近い集落に構えており、3年前に移転。いずれも、スタッフと一緒にDIYで空き家をリフォームしたそう。「自分たちで壁を塗ったり、床板を張ったり、什器も自分たちで取り付けて。そうしたのは、やっぱりここの空間や理想にぴったり合うものが、なかなか売ってないからなんですよね」。
「そういう意味でも、DIY的に組み立てられるTUGUCAはいいですね。今回はスクエアを中心に組みましたけど、横一列に、壁のように組むこともできますね」と、想像を膨らませます。
「おもちゃのブロックを組み立てるような楽しさがありますね。次はどんなものを作ろう、そのためには何が必要で…とか、ついいろいろ考えてしまうような。用途に合わせて自分でアレンジして、特徴を出していくのがおもしろそうです」。
空間に合わせて、スクエアの一つの面が大きなL字になるようにTUGUCAをレイアウトした。
自身のアトリエを見渡し、「ご覧の通りごちゃごちゃなんだけど、自分なりに整理整頓しているんですよ(笑)。散かっているように見えて、実は自分なりの規則性があって、なくならないように、取りやすいように、まとまりが出るようにとか。そういうのは好きなんですよね」と福山さん。
自らの手で居心地のいい空間をつくる。そんなひと手間かかる工程も、福山さんは嫌いではないそう。だからこそ、TUGUCAについても細部まで目をやり、楽しみながら設置してくださいました。
「最高の環境で滑りたい」「最高の環境で釣りがしたい」。たとえリスクが伴っても自らの意志に従い、プレイヤーとして独自の道を切り拓き続けている福山さん。そのアトリエにしっくりと馴染んだTUGUCAは、既成概念にとらわれない福山さんのライフスタイルに、静かに呼応しているように感じられました。
あなたなら、どこで、どんなふうにTUGUCAを使ってみたいですか?HPに掲載している、さまざまなスタイルをぜひ参考にしてみてくださいね。
1999年、JSBA全日本選手権に初出場で初優勝。元プロスノーボーダーであり、プロフィッシャーとして活動するクリエイティブ・ディレクター。2004年、自らが提唱するバックカントリーのスノーボードのスタイルに対応するウェアを作るため、「感性、感覚、雰囲気」で生きる人種をテーマにしたブランド「MofM」を立ち上げる。群馬県みなかみ町に拠点を移してからのライフスタイルの変化を反映したフィッシングアパレルブランド「TONEDTROUT」を始動。
写真は開発中のものです。実際の商品とは異なる場合がございます。
継ぐ数だけその形もさまざま。もっとも使いやすく自由度の高いコーナーセットをはじめ、
標準的なパーツを同梱した3つのセットをご用意いたしました。