新たなブランドシンボルは、いかにして生まれたか。エントリーパックTT

まだ野遊びをしたことがない、すべての人へ。
ブランドのシンボルとなる新たなモデル
「エントリーパック TT」。

創業から60年を迎える今、
私たちが改めて伝えていくべきこと。

特別なことはしなくたっていい。居場所をつくり、ごはんを食べ、語り合って、眠り、目を覚ます。夜が来たら闇を味わい、雨が降ったら雨音を楽しむ。それだけでいい。日本にはもともと、自然という言葉はなかった。それくらい自然と人はひとつだった。この国の自然の中でシンプルに生きることで、私たちは人間らしさを取り戻すことができる。風や花や土や雲や木や虫が教えてくれることのすべては、私たちの毎日を鮮やかに変えてくれる。野遊びは、こんなにも贅沢だ。自然と遊び、自然を思う。そういう生き方ができる人を、ひとりでも多く増やすことがスノーピークの使命だと、私たちは知っている。
 
1958年、スノーピークは登山のブランドとして生まれ、多くのキャンパーと共に日本を代表するアウトドアブランドへと成長した。私たちの本社があるSnow Peak Headquarters Campfieldでは、多くのキャンパーが思い思いの豊かな時間を過ごしている。スノーピークは過去を振り返らないブランドだと言い続けてきた。しかし創業から60年の時を経て、辿ってきた道を振り返ったとき、もう一度初心に帰り、まだキャンプに出会っていない多くの方たちへ、新しい野遊びの入り口をつくろうと思ったのだ。30年前、私たちがオートキャンプを提唱したときのように。

ブランドの新たなシンボルとなるテントの見直し。
その時、山井が告げた言葉は…。

野遊びの新しい入り口をつくろう。そのための製品として開発に着手したのは、ブランドのシンボルであるエントリーラインだった。社長の山井が告げた。「タープをセットにしよう。」それは核心をついた一言だった。原点に戻ろう。日中、家族との時間をゆったりと楽しむ上でかかせないタープをセットで販売しよう。その場にいた全員が、その言葉に深く頷いた。当然ネックとなるのは価格設定だったが、それも極限まで下げ、誰でも手が届きやすい価格にすることを課題に設定した。

自然の中で「豊かな時間を過ごす」ために。
30年前の記憶から生まれた、
タープをセットで販売するという発想。

テントにはスタイルに幅を持たせるためアーチフレームテントを採用。アウトフレームで自立するため、日中は雨風をしのぐことができ、1家族が快適に過ごせるミニマムサイズのシェルターにもなる。このテントにタープを組み合わせることで、リビングスペースをより快適に保つことができる。大自然の心地よさを味わいながら、できたての料理を食べ、思い出話に花を咲かせる。自然の中で過ごすそんな幸せな時間を、大切な人と共有してほしい。30年前、テントよりも先にリビングスペースを快適にするためのギアが開発されたように…。2018 Outdoor Lifestyle Catalogには、当時のエピソードが綴られている。1987年、現社長の山井太が、自然の中で過ごす幸せな時間を、自らが思い描いたスタイルで家族に伝えようとした日のことだ。

エントリーキャンパーが求める耐久性と機能性に絞り、
誰もが手に取れる驚きの価格帯を実現。

「過剰」とまでいわれるスノーピークの製品の快適性と耐久性。それは、四季を問わず快適に過ごすことを前提に開発されているためである。夏場は涼しく、冬場は寒さから身を守るための機能が付随している。それは自然の美しさも、厳しさも知り尽くしたアウトドアパーソンである私たちと同じく厳しい目を光らせるコアユーザーへ提供しても満足していただけるように、タフさと気候にあわせたフレキシブルな対応を可能にする快適性が求められているからである。そのため、製品へのこだわりは価格と比例し、自然と高価格につながっていった。
 
しかし、エントリーキャンパーは、そこまでのスペックを求めているかというと、答えはNOだ。これまで培ってきた開発のノウハウを活かし、初めてキャンプする人でも不自由を感じず、快適に過ごせるような機能が備わっていながらも、最低限の耐久性を保持しようと、極限まで機能性を絞り込んでいった。また、新たな生産ラインの構築も行った。数年を費やし、スノーピーク製のテント開発のノウハウを生産工場に叩き込み、テストを繰り返しながら安定的な供給水準を可能にしていったのだ。これらの企業努力の末、徹底的に価格設定を切り詰め、49,800円という驚きの低価格帯を実現させることに成功したのだ。

まだ野遊びをしたことがない、すべての人へ。
人生を豊かにする、幸せへの入り口になることを願って。

野遊びは多くの大切なことを私たちに教えてくれる。何もない大地の上に自分の力でテントを建てて一夜を過ごす。それだけで不思議な自信が心を満たしてくれること。青空の下で、時間をかけて丁寧に料理をつくって食べて、大切な人と話すうちに、そんなに急がなくてもいいんだ、と気づかせてくれること。夜が来たら闇を受け入れ、雨が降ったら雨音に耳を澄ます。自然の美しさと怖さと、人間の強さと弱さを、教えてくれること。まだキャンプに出会っていないすべての人に、日本で野遊びできる歓びを。エントリーパックTT。スノーピークの願いが生んだ、これからの定番だ。