LOCAL WEAR TOURISM in SADO 2nd レポートその土地を知り、人と人がつながる佐渡の旅

僕の佐渡島への旅は、実は2回目です。
5月に行われたLOCAL WEAR TOURISM in SADOで僕は初めてこの土地を訪ねました。

LOCAL WEAR TOURISM とは、 自然と人、人と人がつながるイベントです。参加者様と現地の方々、そして私たちスノーピークスタッフがいろいろなコンテンツを通して土地を知り、味わい、学ぶ。その過程で距離感を縮め、相互につながっていきます。

今回の佐渡の旅は、高揚感や緊張感でいっぱいのなか始まりました。到着したのは、島の中心港となる両津港。そこで今回の参加者様にご挨拶をしていたら、前回の佐渡ツアーに参加されたお客様と半年ぶりにこの地で再会ができました。僕はあまりのうれしさに思わずハグをしてしまって、「久しぶりに息子に会ったような気分」と言っていただく場面も(笑)。

両津の港を出て、イベント会場である椎崎神社へ向かいながら眺める佐渡の風景はどこか懐かしく、久しぶりに故郷に帰るような気分でした。

伝統文化や食、人に触れ、佐渡を知る

今夜は1300年代に建立された椎崎神社でのテント泊。お客様と一緒に敷地内に今夜のお宿(テント)を張ります。

キャンプが初めての方も、普段からキャンプされる方も、一緒になっておしゃべりを楽しみながら設営をします。もう一度言いますが、テントを張った場所は1300年代建立の由緒正しき神聖な場所です。地元の方々のご理解とご協力のおかげで実現している、普通にはあり得ない体験。この場所にテントがずらりと並ぶ様子は、非日常すぎる光景です。

設営後は小休憩を。この日のために特別ドリンクを用意してくださったのは、佐渡出身でもあり、広島で個性的なチョコレートを作っている、ウシオチョコラトル様。土地がつないでくれる縁を強く感じました。

その日の夕食は、UMAMI LABO様による豪華なビュッフェディナー。UMAMI LABO様は、料理の旨味を追求し、佐渡の豊かな食文化を伝える取り組みをされているグループです。ニューヨークスタイルの天然酵母で作ったブレッドが有名な佐渡のベーカリー、T&M Bread Delivery SADO Island様のこんがり焼けたカンパーニュも添えられ、さらに地元の食材を使ったBBQもあり、佐渡の恵みが盛りだくさんの晩餐会となりました。どれもこれも本当に美味しかった。贅沢すぎました。

スタッフもお客様のテーブルに合席させていただき、一緒に夕食を。会話に華が咲き、まるで大きな家族になったかのような団らんの時間もまた最高でした。
バーカウンターでもお酒を提供していたのですが、ついついお酒も進んでいたような気がします(笑)。

食事を満喫したら、焚火をしながら佐渡の伝統芸能鑑賞。ツアー1日目の目玉イベントです。佐渡は日本各地の文化、風習を受け入れてきた歴史的背景から、“芸能が宿る島”とも呼ばれています。今回は、地元の皆さんにおけさ節の代名詞とも言われる” 佐渡おけさ” を披露していただきました。

さらに、ただ鑑賞するだけでなく、地元の方々の粋なはからいで歴史ある能舞台に私たちも上がらせていただき、一緒に佐渡おけさをおどらせていただくことに!このツアーでなければきっと体験できない、グッとくる瞬間でした。

LOCAL WEAR TOURISMの佐渡の旅は通算4回目なのですが、「見ているだけではもったいない!歴史ある舞台で一緒に踊りましょう!」というサプライズな提案があったのは今回が初めて。最初は皆さん、遠慮がちでしたが最終的には舞台にギュウギュウになって踊っていました。

お客さんも、地元の方も、スタッフも関係なく一つの舞台の上で佐渡おけさを体験する。上手な人もいれば、そうじゃない人もいる。終わった後に、お客様に「福谷君踊れてなかったね~(笑)」とご指摘いただいて、「お互い様だったじゃないですか(笑)」なんて笑って言い合える関係性が自然と芽生えていました。今回のイベントの中でさらに一体感が生まれた本当に良い時間でした。 距離感が一気に縮むのを感じ、いちスタッフとしてとても幸せな気持ちになりました。

「つくる」と「生きる」がつながる体験

2日目は、いよいよこの度のメインイベント、世界農業遺産でもある岩首昇竜棚田での稲刈り体験です。現地で見る圧倒的な棚田の景色は脳裏に焼きつき、忘れられないものとなりました。

ところが、あいにくの雨で、残念ながら稲刈り体験は大幅に時間短縮して実施することに。代わりに「ぬか釜」を使ったお米炊き体験と、そこで炊きあがったお米でおにぎりを作り、その場で味わうことにしました(メインとなる稲刈り体験ができなくなり困っていたところを大石さんが機転を利かせてくれました)。

まずは、談義所という、もともとは小学校だった場所へ向かいます。
ここで、LOCAL WEARのモデルにも起用させていただいた、この棚田の管理人である“ジジイ”こと大石さんとお会いしました。大石さんは、LOCAL WEAR が生まれるきっかけにもなったお方です。
詳しくは、ぜひこちらの記事もご覧くださいね。

談義所で大石さんから岩首昇竜棚田の歴史をお聞きした後は、ぬか釡を使ってお米を炊きます。ぬか釜とは、もみ殻を燃料に使った昔ながらの炊飯方法。筒の中にもみ殻を入れて、羽釜でお米を炊きます。一度火を付けたら火加減の調整も必要なく、美味しいご飯が炊きあがります。

ご飯が炊きあがるまでの間に稲刈体験へ。まずは談義所から20分ほど山道を登った先にある展望台から、日本海も臨める岩首昇竜棚田の絶景を満喫。そして綺麗に実った稲を少しだけ収穫しました。普段僕たちは、当たり前のようにお米を食べていますが、「稲を刈る」という行為を通して、お米の文化や僕たちのもとへ届くまでの物語をも学べたことはこのツアーならではの体験だったと思います。

稲に囲まれ全員で集合写真を撮り、棚田のコンテンツは終了。ふと振り返ると、バスに戻るのに出遅れた大石さんがLOCAL WEARを纏い、まるで黄金色の草原のような稲穂に立っていました。時間が押しているにも関わらず皆で撮影会をしてしまったぐらい。このツアーの中で最も美しい光景でした(笑)。

棚田から談議所へ戻ると、ぬか釡でのお米も炊きあがって、炊いたお米を自身で握って地元で採れたお野菜の天ぷらや惣菜と一緒に、みんなで味わいました。このひとときがまたアットホームで、すごく印象的でした。
両津港でお客様をお送りする時には皆さんとても良い顔をされていて、「また来年も佐渡で会おうね!」と言ってくださる方も。本当にうれしく感極まった瞬間でした。

こうして今回の LOCAL WEAR TOURISM in SADO 2nd の旅は、幕を閉じたのでした。

私の思う、LOCAL WEAR TOURISMの魅力

今回のツアーで改めて思ったことは、LOCAL WEAR TOURISMは日本の魅力を再確認し未来につないでいく旅であり、お客様とスタッフが距離を縮め、交流する機会でもあるということ。日本各地で継承されてきた土地の文化や食、自然、ものづくりに触れながらお客様とたくさんの会話ができることも魅力です。
 
自然と参加者の皆さんとの距離感が縮まっていくこと。
いい意味で境界線がなく、それによってフラットな関係性が生まれること。
普段はキャンプできないような特別な空間や、想像もつかないような場所にテントを張り、一夜を過ごすことでぜいたくな時間を味わえること。
そこでしかできない豊かな体験で溢れている旅です。

言葉や写真だけでこの空気感を伝えきれないのが少し残念ですが、いつか皆さんにぜひ体験していただきたい。
少しでも「気になる」と思っていただけましたら、今後も各地で開催するLOCAL WEAR TOURISMにご参加いただき、その土地ならではの旅のエピソードを皆さんとお話できたらと思っています。

余談ではありますが、参加者の皆さんとお話をしている中で、羨ましいなと思ったことがあります。
それは、このイベントを迎える前に前泊をして佐渡を楽しまれている方がいらしたこと。島じゅうに魅力が溢れている佐渡。「佐渡を楽しむのに、1泊2日じゃ足りない!」という方には前泊や後泊もオススメです。自分で組んだプランとスノーピークのプランを両方楽しめたら、さらに魅力的な旅になりますね。
 
皆さんとお話しできる時を楽しみにお待ちしています。そして、いつかのTOURISMでぜひお会いしましょう。

ふくたに・のぶかず/大阪出身。古着屋で6年、販売と少しバイイングも経験。その後、スノーピークへ。音楽とキャンプ、服が好き。3年連続フジロックに参加しており、「最近行き過ぎてないか?」と自問自答し始めているところ。ヘキサイーズ1がお気に入り。最近では、BREEZERバイクを購入し、バイクパッキングにハマっている。スノーピーク製品を自転車に積載してデイキャンプに出掛けることも趣味の一つです。