noasobi essey scene05「コロポックル。 」

僕が幼稚園に行き始めた頃、母がコロポックルの話をしてくれた。

コロポックルとは北海道の先住民族アイヌの人達の間で語り継がれてきた小人で、 深い森の奥に住むとされてきた。

蕗(ふき)等の山菜を採る時は、帰りに塩や飴などを器に入れて雨が降っても濡れない所に、そっと置いて来るのが礼儀だよ、と。
幾日か経って、器を回収に行くと 中には奇麗な石や化石が入っているのだという。

そう言って母は小さなアンモナイトの化石を僕の手に握らせてくれた。
その化石は、今も僕の机の上に置いてある。


2008年「Snow Peak Outdoor Lifestyle Catalog」掲載。
この連載では、2004年から「Snow Peak Outdoor Lifestyle Catalog」で掲載していた記事を再掲しています。