【コラム】 from STAFF愛着図鑑 vol.25
Snow Peak 大阪りんくうTatsunori Kobayashi/小林 竜昇

【愛用歴11年】
焚火台M
この焚火台は、僕にとっての初めてのキャンプギア。大阪で暮らし始めて2年目、当時勤めていた運送会社の同僚に誘われてキャンプに行くことになったときに買いました。シンプルな形で、さっと閉じて収納できる。頑丈でかっこいいところに惹かれました。
同僚とのキャンプを何回か繰り返すうちに職場の他の人も参加するようになり、家族ぐるみで行くようにもなって、知り合いのいなかった土地で友達がたくさんできました。
火を起こし、焚火を囲む時間は格別です。それだけで喫茶店や居酒屋で話すより距離が縮んで、仕事仲間という関係が友達へと変化するんです。
昔、自衛隊にいた頃、災害派遣で何回か被災地へ行きましたが、電気の止まった真っ暗な街では、人は自然と火のある所に集まるんです。やっぱり火には特別な力があるのだと思います。

35歳の頃、腎臓を患って手術をしました。2カ月の入院生活を終えて、旅行でスノーピーク本社を訪れました。愛用の焚火台をつくっている会社を見てみたかったんです。
まだ雪の残る3月。広大な景色も、スタッフも、ショップに並ぶギアも、全部に感動しました。そこで「好きなことを仕事にしよう!」と心に決め、スノーピークの求人に応募しました。今は毎日がめちゃくちゃ楽しいです。
先日はキャンプデビューのきっかけを作ってくれた友人が、お店にテントを買いに来てくれました。他にも、別の友人がキャンプに興味のある人を連れてきてくれて、一緒にキャンプに行くこともしばしば。焚火台を囲んで生まれた野遊びのつながりは今も広がり続けています。
僕の焚火台は焦げや傷がついて貫禄が出てきました。でも、まだまだ大切に使い続けていきます。このおかげで多くの人とつながることができて、今の自分がある。これからもたくさんの人に、スノーピークのギアやキャンプを介して人と人がつながる喜びを伝えていきたいです。

Epilogue
いかがでしたでしょうか。長く使ってきた道具とあなたが織りなす時間は、どんなに優れた新製品を買っても手に入ることはなくて、その時間を、人は「愛着」と呼ぶのだと思います。
新潟・福岡にあるアフターサービスルームには、今日も遠方から修理の必要な道具たちが届きます。壊れたら捨てるのではなく、大事になおしてまた使って欲しい。そんな想いを込めて今日も丁寧に修理にあたっています。
もしも、道具が壊れたらいつでも私たちスノーピークにお送りください。想いを込めて修理し、皆さまにお戻しいたします。