【コラム】 from STAFF愛着図鑑 vol.24

【愛用歴13年】
トゥーバ

僕の相棒は「トゥーバ」。ステンレス製の本体に2枚の刃が収納されていて、ナイフにもハサミにもなる便利なギアです。付き合いはもう10年以上になります。

気に入っているのは、何よりもまず、潔いくらいシンプルなところ。オールステンレスで無機質、いかにもスノーピークらしいデザインだと感じます。もう一つは携帯性の良さ。刃を収納すると本体は7㎝で手の平に乗るほど小さくて軽く、ポケットに入れてどこへでも持っていけます。

持っていく先はもっぱら海です。僕は海釣りが趣味で、釣り糸やちょっとした細いロープを切るのに便利なんです。いつもポケットやサコッシュに入れていて、さっと使ったら、すぐしまいます。この手軽さが気に入っています。

今は、ルアーでアジを釣る「アジング」にハマっています。アジはサビキで一度に何尾も釣るのが一般的なのですが、あえて細い竿にワームを付けて、アジとの駆け引きを楽しんでいます。

先日はスタッフ同士で、長崎県の平戸島で食材を買い出しせずに「釣った魚だけで食事を作る」という釣りキャンプをしました。食事は釣果次第なので、みんな必死。その日無事に釣れたアジはムニエルに、カサゴはから揚げにしておいしくいただきました。

基本、釣った魚は自分でさばきます。アジやカサゴならトゥーバでもさばくことができるのですが、僕は使いません。そもそもトゥーバを料理には使わないと決めています。ベーコンを切るなんて、僕からすればもってのほか。塩気のあるものを切って、刃が錆びるのが嫌なのです(笑)。「アウトドアの道具なのに…」と思われそうですが、“トゥーバに無理をさせない”というのが信条です。

生産を終了しているのでもう簡単には手に入りませんし、もし壊れたり、傷んでしまったらショックで立ち直れない。それくらい特別な存在です。

そんなことを言っておきながら、実は一度だけ海釣りの最中に岩場で落としてしまったことがあります。友人にも協力してもらって必死で探して、なんとか見つけることができ、思い出したくもないほどの苦い経験をしました。

これからもどこに行くときも携帯して、大切に使い続けたい。僕にとっては、そんなお守りのような相棒です。

Epilogue

いかがでしたでしょうか。長く使ってきた道具とあなたが織りなす時間は、どんなに優れた新製品を買っても手に入ることはなくて、その時間を、人は「愛着」と呼ぶのだと思います。

新潟・福岡にあるアフターサービスルームには、今日も遠方から修理の必要な道具たちが届きます。壊れたら捨てるのではなく、大事になおしてまた使って欲しい。そんな想いを込めて今日も丁寧に修理にあたっています。

もしも、道具が壊れたらいつでも私たちスノーピークにお送りください。想いを込めて修理し、皆さまにお戻しいたします。