【コラム】 from STAFF本とウイスキー。

Prologue

社員である前に、キャンパーであれ。日本をはじめ、世界中のスノーピークのスタッフは、それぞれの「野遊び心」を開放して、自然の中でも、くらしの中でも、全力で野遊びを楽しんでいます。

今回、話を伺ったのは、顧客創造本部の工藤です。工藤にとってのイチバンは、本とウイスキーと過ごす一人の時間。都会を離れて自然の中に行くと、静けさの中で感覚が研ぎ澄まされ、ウイスキーも活字もひときわぐっと迫ってくるのだそう。そんな大人の男の野遊びについて聞きました。

◇キャンプはウイスキーから始まる。

だれにも邪魔されない自分だけの時間。

スタッフ 工藤:
「家を出てから2時間で一杯目のウイスキーを飲みたい人だから、あまり遠くには行きません。一杯目を飲んだら、料理をします。以前は、家で仕込んできたタンドリーチキンを焼いたり、パンチェッタを作ってパスタソースにしたりしていましたが、どんどんシンプルになり、最近は、グリルバーナー雪峰苑で簡単に。何をグリルしてもおいしいから、それで終わり。

連れて行くのはもっぱらウイスキー。次のキャンプではこれを飲もうと準備しておくこともあるし、出かけた先で調達することもあります。地方の酒屋には、今はもう造られていないウイスキーがほこりをかぶって並んでいたり、掘り出し物があることも。見つけた宝物をその夜に楽しむのも、キャンプならではの楽しみです。

チタンマグでストレートで飲むことが多いですが、ウイスキーに水をほんの少し落とすと、香りが広がって、ウイスキーのポテンシャルが変わるので、湧水があればそんな風に飲むこともあります。冬には、ノンビンテージのブレンデッドスコッチをお湯割りにして、ハチミツを入れてもおいしいですよ」

◇忘れられない、ふたつの時間。

好きなものに浸る至福の時間。

スタッフ 工藤:
「出不精で酒好きなので、どこに行くかについてのこだわりはありません。それでも、忘れられないキャンプが二つあります。

ひとつは、晩秋の四尾連湖です。夜になって、桟橋で本を読もうと椅子とリトルランプ ノクターンを持って湖に向かったら、当たりは真っ暗なのに、湖面はほの白く煙ってる。寒暖差で靄が出ていたんです。幻想的でした。静かに飲みながら、本を読みました。

もうひとつは、真夏のドイツ。ソロ用テントを持って行ったので、湖のほとりでキャンプしたんです。湿度が低いからお酒がスーッと飲めて、おいしく感じられるし、白夜のように日が暮れないからずっと起きていられて、飲み続けられる。不思議な感覚でした」

◇そして、体が夢を見る。

ウイスキーを楽しみたいから料理は極力シンプルに。

スタッフ 工藤:
「もともと活字中毒。数多く読むというより、好きな本を繰り返し読む方です。中でも、司馬遼太郎、沢木耕太郎は好きですね。キャンプにもよく持っていきます。自然の中では雑音がないから、没頭できる。家で読むのとは違う味わいがあります。

理想のキャンプは、夜に人工の光が見えず、ランタンを消したら真っ暗になるところ。真っ暗で静かな中に一人でいると、無心になって、本に集中でき、活字が迫ってくる――そういう時間の過ごし方が好きです。

飲んで、読んで、時間が過ぎていくと、浮遊感に包まれる瞬間がやってきます。幸せだなあと感じるのはこういうときです。「酔うということは体が夢を見ることだ」と言ったのは中島らもだったかな。だから、すぐに寝るなんてもったいない、体にも夢を見てもらわないと」

キャンプを共にした使い込まれた“ケトル NO.1”。

Epilogue

いかがでしたでしょうか。オンもオフも野遊びを全力で楽しむキャンパー揃いのスタッフたちが、皆さまのアウトドアライフをサポートさせていただきます。是非、店頭、イベントなどでお気軽にお声がけください。