冬だからこそ味わえる感動
日が昇る数時間前に必要なギアをソリに載せ、辺り一面真っ暗な氷上を、ヘッドライトとGPSを頼りに歩きながらポイントまで向かいます。凍てつく寒さと急に鳴り響く氷の動く音。湖が凍るこの時期にしか体験できない、大自然の中心に居ることを実感する瞬間です。
ワカサギ。漢字では「公魚」と書きます。10cm〜15cmの小さな淡水魚で、産卵期は冬から春にかけて。一番おいしい時期がこの季節になるため、テレビでも冬の風物詩としてワカサギ釣りがよく取り上げられてます。氷上に穴を開けて釣る光景は寒そうですし、過酷に見えますが、実はファミリーでも安心して楽しむことができるアクティビティなんです。
今回は、冬季キャンプと一緒に楽しめるアクティビティであり、私もハマっている氷上ワカサギ釣りをご紹介します。
ワカサギ釣りを楽しむには?
ワカサギ釣りには3つのやり方があります。
【ドーム船・屋形船】
釣れるポイントに設置してあるため、コツさえ掴めば初心者でも簡単に釣り上げることができます。何より暖房が効いており、トイレも完備されていて、女性やお子さんにも優しい環境です。
【ボート釣り】
湖畔が凍る前の季節、ちょうど紅葉が綺麗な季節に楽しみます。自由度が高く、釣れるポイントまで自分で移動し、好きな場所を選べます。
【氷上穴釣り】
凍った湖畔の上を歩き、自身でポイントを見つけて穴を開け、釣る方法です。難易度は一番高いですが、湖畔が凍るこの時期にしか立つことができない場所でテントを張り、ワカサギ釣りを楽しむことができます。
初めての方にはドーム船・屋形船がおすすめです。釣り方のイロハを教えてくれる所も多いですし、何より釣りやすいです。
私は初めてのワカサギ釣りで、氷上穴釣りに挑戦しました。場所は群馬県赤城大沼。湖面に穴を開けて釣り糸を垂らせば簡単に釣れるものと思っていましたが…。
釣果は朝5時から9時間通して0匹。悔しくて悔しくて。次はよく釣れている人の近くに穴を開けてリベンジの機会をうかがうも、6時間で1匹…。
高級な塩とサラダ油を片手に「想像と全然違うじゃん!」というのが初めての感想でした。ワカサギの生態や湖の地形、誘い方を知ることがとても重要だと気付いてからは、コツをつかみ、大量に釣れるようになっていきました。
ワカサギ釣りが人を魅了する理由
ここで、少し自分の話を…。
私はとても欲張りな人間です。旅行先では観光案内に記載があるスポットは全てまわってみたいですし、初めて行く居酒屋でも可能な限りいろんなメニューを頼みたくなるタイプです。キャンプ場に着いたら近くに名所がないか調べ、そこでしか体験できないことがあれば必ず向かいます。プラスαで楽しめることをいつも探しているんです。
そうしたなかで、冬季期間のキャンプを欲張りに楽しめるアクティビティとしてワカサギ釣りに出会い、一気にハマってしまいました。
氷上穴釣りができる時間帯は場所により異なりますが、基本的には4:00〜16:00です。
私の場合は、朝イチでワカサギ釣りに出かけて、午後には撤収。近隣のキャンプ場にテントを張り、釣ったワカサギを調理してお酒のつまみにしてキャンプの夜を楽しみます。こんなふうにして、ワカサギ釣りからキャンプへと、一日をフルに使って野遊びに没頭できるのです(体力的に不安がある方は2泊3日でも)。
景色は本当に素晴らしいですし、その日に釣り上げた魚をキャンプで食べるのは、本当においしい。都会では体験できない魅力的な野遊びだと思います。
ワカサギ釣りに欠かせないスノーピークギア
余談ですが、実はスノーピークでも、「フィッシングシェル」というワカサギ釣り用のテントを販売していた時期があり、たまに使用している人を見かけます。程よい空間とスノーピーククオリティのスペックが相まって、今でも探してる人が多いそうです。
ワカサギ釣り用に開発された「フィッシングシェル」(写真手前)。
S、M、Lの3サイズの展開がありました。
私にもワカサギ釣りをする際に欠かせないアイテムがありますので、ご紹介します。
1つは、「MYテーブル竹」。
ワカサギを釣り上げるためには、ワカサギが餌に食い付いた際のわずかな反応を見逃さないようにするため、ロッドを安定したテーブルに置く必要があります。必要最低限のスペースとちょうど良い高さ、コンパクトに持ち運べることから、欠かせないものとなりました。
2つ目は、「ウォータープルーフ ギアボックス」。
必要なギアを詰め込み氷上へ運搬するために使用しています。中に仕切りを設けることが可能で、繊細な竿や針などを守ることができ、何より雪中や濡れやすい環境下でも問題なく使用できます。このシリーズは1、2とサイズの異なるモデルがあり、普段のキャンプでもタフに使っても壊れない、個人的に買って良かったと思うベストギアの一つです。
愛用の3ユニットサイズ。現在は廃盤となっています。
3つ目は、「マット&ピロー」。
座布団&枕です。直接雪の上に置いて座っても良し、キャンプでは枕にもできる優れモノです。行き帰りの車でも座布団として使用しているほど、愛用中です。
今年は本当に雪が少なくて寂しい気持ちではありますが、冬本番はこれから。
短い季節だからこそ欲張りに。日本全国で壮大な景色と素晴らしい体験が待ってます。
皆さまとも店頭やフィールドで情報交換できたら楽しいなぁと、首を長くしてお土産話を期待し、お待ちしております。