LOCAL WEAR TOURISM in ICHINOSEKI東北の伝統芸能に触れ、日本文化の豊かさを知る旅
スノーピーク二子玉川店Moeka Hoshino/星野 萌夏
梅雨が明けた8月上旬、岩手は思いのほか暑く、この日の天気予報では最高気温36℃でした。初めての岩手に、私は東北は涼しいと思っていたので、予想外の暑さでした。
そんな暑さを感じる中、どこか懐かしさを感じる『LOCAL WEAR TOURISM in ICHINOSEKI 1st』は、スタートしました。
「LOCAL WEAR」は、その土地ならではの風土や技法をリスペクトしたスノーピークのアパレルラインです。日本各地、地域に根づいた労働と作業着の関係を取材・追体験することで、日本の魅力的な文化や産業を未来に継承していきます。
服をつくり、その服が似合う旅をつくる。
『LOCAL WEAR TOURISM』とは、「着る」が「生きる」になる旅。
今回のLOCAL WEAR TOURISM in ICHINOSEKI 1stでは、LOCAL WEAR IWATEを共に作り上げた京屋染物店をはじめ、その土地に住まう若者たちによって手作りで開催されている、「一関夏まつり・錦町フェス」の参加がメインのプログラムになっていました。
圧倒的な迫力で迫りくる舞に、思わずのけ反る
一関駅から会場の「骨寺村荘園遺跡」は、車で30分の所にあり、車が走り出し15分程で街並みは田んぼに囲まれた風景へと変わりました。初めてきた場所なのに、小学生の頃田舎のおばあちゃん家へ向かった時のような、どこか懐かしく親しみを感じる私がいました。
骨寺村荘園遺跡へ到着後、お客様をお迎えして開会式がスタート。
暑さも和らぎ、心地よい風が吹き始めた初日夕方、今回の旅の目的「一関夏まつり・錦町フェス」へ向かいました。
「一関夏まつり・錦町フェス」では、東北の伝統芸能の舞『鹿踊、虎舞、鶏舞』等を、京屋染物店の前で見ることが出来ました。今回「LOCAL WEAR IWATE」を共に作り上げた京屋染物店は、ステージが目と鼻の先にあり、伝統芸能をすぐ近くで見ることがでるため、それはそれはすごい迫力でした。
衣装の重さが10キロもあるとは思えない、軽快な動きで太鼓を叩く鹿踊。背中から生えているように見える白くて長い「ささら」は、踊っている方が前かがみになる度にすぐ近くに倒れてくるため、その度に「わ!」とか、「お!」と声が出るのと同時に、後ろにのけ反っていました。
2人で一頭の虎を表現した虎舞は、虎の力強い表情が印象的で、間近に迫ってきた時はあまりの迫力に少し後ずさりをしてしまいそうでした。
お祭り最後には、お神輿を担がせてもらいました。
「LOCAL WEAR IWATE」の法被を着てお神輿を担ぐお客様の真剣な表情や笑顔は、今でも思い出します。私自身担ぐと自然と笑顔になり、お神輿を担ぐこというシンプルなことから様々な表情を引き出すことが出来ると感じました。
お祭りの後は骨寺村荘園遺跡へ戻り、待ちに待った地元で採れたお野菜やお肉を使ったBBQの夕食です。
何もつけずに野菜本来の味を実感することが出来たそのおいしさは、衝撃!!
お肉が大好きな私が、気が付けばお野菜ばかり食べていました。
お祭りにBBQ、大満足で1日が終了しました。
今回の旅を通して改めて気づいた「LOCAL WEAR TOURISM」の醍醐味
2日目の朝は、すがすがしい空気の中散策から始まりました。
朝食は、こちらも地元の食材を使ったホットサンドにスープ。
朝からおいしいものを食べることができ幸せいっぱいでした!
朝食後、お客様は祭畤温泉へ。
この時点で、お客様とはお別れになるのでお見送りに出た私たちスタッフに、お客様は見えなくなるまで手を振ってくださったことがとても嬉しかったです。
お帰り際のお客様の笑顔は、皆様とても充実感にあふれているように見えました。
今回、「LOCAL WEAR TOURISM」で体験した、お祭りへの参加や地元食材を使ったおいしい料理を食べることは、以前は普通に行っていた日常ではなかったでしょうか?
それが今特別に感じるのは、きっとどこかおいてきてしまった過去になっているからだと思います。私自身、お祭りに最後に行ったのがいつなのか思い出せないことに気が付きました。
今回の「LOCAL WEAR TOURISM」は、100年以上にわたる伝統を持つ京屋染物店と出会い、伝統的な祭りに衣装を着て集い、いにしえの人々の思いをまとう、そんな日本の文化を体験した2日間となりました。
今回のイベントを終えて、「LOCAL WEAR TOURISM」という旅をやっと理解できた気がしました。都会育ちの私が、ずっと昔からこの祭りに参加していたような気分になり、「LOCAL WEAR TOURISM」はそんな体験ができる旅だと感じました。
その土地の服を着て、その土地を体験する。
みなさま一度、体験してみませんか?
私はこれからも、Snow Peak の一員として「LOCAL WEAR TOURISM」通し、現代の多すぎる便利と情報から逃れ、人間が自然の一部となる時間を提供していきたいと考えています。