【コラム】from STAFF‟FIELD SUITE HAKUBA”で、圧倒的な自然を味わう贅沢なひととき。
マネジメント課Sumire Kobayashi/小林 すみれ
早く起きすぎた朝、窓の外の景色がうっすら赤く染まっていた。
心に浮かんだのは、あの日見た北アルプスの朝焼け。
あの場所には今日も悠然と山がそびえ、絶景が広がっているのだろう。
同じ太陽が昇って、同じ空の下にわたしの生活がある。
そう思うと目に映る見慣れた景色も、今日という日も一段と愛おしく感じられました。
今年7月に待望のグランドオープンとなる「Snow Peak FIELD SUITE HAKUBA KITAONE KOGEN」。5月に行われたプレオープンで体験した2日間の滞在の模様をお届けします。
<目次>
■白馬村・北尾根高原について
■ホテル以上に気持ちいいテントのお部屋
■信州を味わうワインペアリングディナー
■「焚き火バー」と流れ星観測
■心に焼き付けた白馬三山の朝焼け
■森のトレイルとフィールドブレックファースト
■ランチボックスと旅の余韻
■おわりに…
■白馬村・北尾根高原について
長野県の北西部に位置する白馬村。スキーリゾートとして世界中から高い人気を誇ります。東京からは、長野新幹線で長野駅まで約1時間半。長野駅からは専用車で送迎してもらえます(もちろん無料。約1時間くらい)。私の住む新潟からは、車でおよそ2~3時間。
「Snow Peak FIELD SUITE HAKUBA KITAONE KOGEN」は、八方尾根スキー場内、標高1,200mに位置する北尾根高原の中にあります。北尾根高原には、麓からリフト1本でアクセスが可能。日中は一般の方も、村を一望する眺めや高原のカフェを楽しむことができます。
■ホテル以上に気持ちいいテントのお部屋へ
麓からリフトに乗って一気に標高1,200mの北尾根高原へ。森を抜けると、大自然のパノラマが眼前に広がり、このあたりから非日常スイッチがオン!到着後はコンシェルジュの方が迎えてくださって、専用のバギーでお部屋まで連れて行ってくれます。
部屋の目の前には白馬三山をはじめとする、大迫力の北アルプスが。
プライベートデッキにて。コンシェルジュの方が滞在中のご案内をしてくださいます。
グランドオープン時には特注サイズのテントに変わり、さらに広くなるそう!
わたしたちのお部屋は、テントルーム。このほかに、スノーピークが建築家 隈研吾さんとコラボレーションした「住箱-JYUBAKO-」での宿泊が可能です。
スピアヘッド(テント)の中は、ホテル並みの設え。電源コンセント、冷蔵庫はもちろん、なんと冷房まで!アウトドアに慣れていない方もストレスなく過ごせそうです。ウッドデッキにはローテーブルとチェアが設えられていて、こちらはいわばリビングスペース。目の前には、悠然とそびえ立つ北アルプスが。寛ぎながら、こんな絶景を眺められるなんて、なんだか不思議な気分。
■カモシカラウンジでチルアウト。
ディナーの時間までは「カモシカラウンジ」という、宿泊者専用スペースで過ごすこともできます。こちらでは、好きな飲み物を自由にいただくことができて、信州名物のワインはもちろん、各種地酒やソフトドリンクが揃っています。
FIELD SUITE HAKUBAはオールインクルーシブスタイル(滞在中の食事・飲み物などがすべて宿泊代金に含まれる)なので、お酒の好きな方は、好きなだけ味わうことが可能!今思い出しても胸が苦しくなるくらい、心がときめく幸せな時間でした…。
というわけで、麓にあるクラフトビールの醸造所「Hakuba Brewing Company」のペールエールで乾杯です(最高…!)。
こちらではコンシェルジュの方とゆっくりとお話もできて、「雪形(ゆきがた)」について教えていただきました。春から夏にかけての雪どけの時期に、標高の高い山にまだ残っている雪の模様を「雪形」と呼ぶそう。仔馬に見えるところがあったり、女性の横顔に見えるところがあったり。「あの模様が見えたら、田植えの時期が始まる…」など、農作業の目安になっている模様もあるそうです。地元の暮らしの片鱗に触れられるのもまた、旅のたのしみですね。
■信州を味わうワインペアリングディナー
少し陽が暮れてきたら、いよいよグランピングディナーがスタート!
一般のお客様が北尾根高原で過ごせるのは16時まで。この時間から翌朝9時までは、この標高1,200mの異世界を宿泊者だけで独占して過ごすことができます。この特別なプライベート感。気分が高まります。
日中は観光客で賑わっていたテラスが、アペリティフを味わうための空間に様変わり。藁のベンチに座って街並みを見下ろしながら、大町産の生ハムを使った前菜をスパークリングワインとともにいただきます(至福~!)。
ここまででもうなかなかの幸福感ですが、ここからがディナーの本番。テラスの傍らに建てられたテントが、スペシャルダイニングです。
コース仕立ての創作イタリアンを、それぞれのお料理に合わせてセレクトされたワインとともにいただきます。ワインはもちろん、地元長野県内のワイナリーのもの。このお料理とのペアリングが本当に楽しくて!まるでひとつ味わうごとに長野県内を旅して巡っているような気分です。この日のお料理には、コシアブラや山葡萄の新芽など、雪解したばかりの信州の春食材もたっぷり盛り込まれていました。
食材の意外なマッチングに驚いたり、コンシェルジュの方から食材やワイナリーのお話を聞いたりして、食べ終わるのが惜しまれるほど幸せなひととき。テントの外に目をやれば、圧倒的な大自然が目の前に。このギャップは、FIELD SUITE HAKUBAでなければ味わえない体験です。
■「焚き火バー」と流れ星観測
夕食後には、宿泊者専用の天然温泉で寛ぐのもよし。「焚き火バー」で夜のひとときを楽しむこともできます。
ジャズの生演奏を聴きながら、焚火をゆったりと囲むことができる「焚き火バー」。焚火といえばキャンプの醍醐味ですが、キャンプをしたことのない方も火を囲んで、その豊かな時間を体験できます。こちらのバーカウンターでも、好みのドリンクをオーダーできます(私は発砲系の日本酒をいただきました!)。
そして見上げれば、満天の星…!
何度も言いますが、ここは標高1,200m。街灯もなにも、星の瞬きを遮るものは一切ありません。
ウッドデッキに寝転がって、いくつもの流れ星がこぼれていくのを夢中になって見ていると「この星空とご来光は、宿泊者だけの特権なんですよ」とコンシェルジュの方が教えてくださいました。
その後、バギーに乗車してテントへ。お部屋の冷蔵庫からビールを出し(まだ飲む)眠りにつく前に少しだけ、再び星空観察を楽しみました。「夜空が宇宙だね…」とは、同行した友人の言葉。地球という一つの惑星に住んでいることを実感させられるくらい、神秘的な星空でした。
■心に焼き付いた白馬三山の朝焼け
時刻は4時半前。パチリと目が覚めました。
テントの窓から見えたのは、淡い青から赤へとグラデーションしていく空。
宿泊者だけのもう一つの特権、ご来光がもうすぐ始まります!
いそいそと昨晩のディナー会場でもあったテラスへ。
西の空から太陽が昇って、光の筋が差してきます。そして燃え上がるように空が赤く染まっていく。
さらに後ろを振り返れば、太陽の色に染まる北アルプスの山々。
生まれて初めて見る景色でした。自然が与えてくれる感動は、人間の想像の域を軽々と越えてきます…。
ちなみに、いわゆる「モルゲンロート」と呼ばれる朝焼けは、気候条件の整ったときだけ見られるもので、もっともっと赤いのだそう。さらに秋には、運が良ければ雲海とモルゲンロートが同時に拝めるそうです。圧倒的な美しさだとか。。
オーガニックのハーブティーをいただいて、寝ぼけた体も少しずつ目覚めていきます。
■森のトレイルとフィールドブレックファースト
朝食を待つ間、北尾根高原のフィールドを散策することに。熊除けのため鈴を鳴らしながら、春が訪れたばかりの透けるように鮮やかな新緑の中を歩きます。
片道30分ほどのトレイルコースには展望台が3か所。ゴール地点では、山頂から尾根の間に延びる谷底までを一気に臨む、ダイナミックな景色を楽しめました。
朝食は、お部屋のプライベートデッキにて。コンシェルジュの方々が朝食のためだけ(!)の特等席を設えてくださいました。
青空に映える北アルプスの山並みを目の前に、肌に心地よく当たる風を感じながらいただきます。どんなホテルでも、カフェでもきっと体験できない、爽やかな朝です。
信州産百花はちみつや自家製りんごジャムも添えられています。
フタを開けると、朝から活力の湧いてきそうな朝食メニューが彩りよく収まっています。なかでもイチオシは、清水牧場(松本市)のブランウンスイス牛のドリンクヨーグルトとのこと。アツアツのコロダッチポットの中には、野菜たっぷりのミネストローネ。お腹いっぱい、大満足のボリュームでした!
■ランチボックスと旅の余韻。
北尾根高原の大自然を最後の最後まで満喫して、そろそろこの夢の滞在も終わりが近づいてきました。今回の滞在は、1泊2日(3食付き)のパッケージ。チェックアウト時に、お手製のランチボックスを受け取ります。「北尾根高原の中で召し上がっていただいてもいいですし、お帰りの車中で召し上がっていただいて、旅の余韻とともに味わっていただけたら」とコンシェルジュの方に言葉を添えていただきました。
ランチボックスは和食メニュー。こちらにも旬の地物がふんだんに使われていて、最後まで信州の恵みをとことん楽しめます。束の間の夢が覚めてしまうようで名残惜しい気持ちでいっぱいでしたが、思い出を振り返りながら味わうひとときも、この旅のコンテンツの一つ。帰り道も幸せな余韻に浸ることができました。
信州産福味鶏、信州サーモン、山菜、小谷漬など、地物がたっぷり!
■おわりに…
夢見心地の旅から日常に戻り、早1か月。
今でも、ふとした瞬間にこの旅で目にした情景が心に浮かびます。
雄々しく、悠然とそびえる北アルプス。
無数の星がままたく、漆黒の空。
エネルギーに満ちた眩しい太陽と、燃えるような朝焼け。
あの場所では圧倒的な大自然が、季節と共にめぐっています。
その自然のサイクルのなかに一晩だけお邪魔して、滞在しなければ拝めなかった景色や、大地の恵みを少しお裾分けしていただく。心に抱くのは、自然への感謝と敬意の気持ちです。だって、何度も思い出してしまうくらい、こんなに感動してしまったから。あの絶景と一つの空で繋がっていると思うと、日常の風景も愛おしく思えます。
まだ見ぬ圧倒的スケールの大自然と、とびきりの感動体験を、ぜひあなたも。
気さくで頼もしいコンシェルジュのみなさん。2日間安心して過ごせました。