【コラム】 from STAFF自然とつながる、フライフィッシング。

Prologue

社員である前に、キャンパーであれ。日本をはじめ、世界中のスノーピークのスタッフは、それぞれの「野遊び心」を開放して、自然の中でも、くらしの中でも、全力で野遊びを楽しんでいます。

スノーピークでは、キャンプを基盤にアウトドアアクティビティを楽しむスタイルも提案しています。その一つが、自然との特別な一体感を味わえるフライフィッシング。2025年から「スノーピーク フライフィッシング」として、本格的な取り組みを始動しました。

今回は、フライフィッシングに長年親しみ、この事業のアドバイザーも務めるSnow Peak USAの内田が登場します。

◇出会いは「発祥の地」。

自然が身近な環境で少年時代を過ごした。

内田:
「僕が育ったのは、山や川が身近な長野県・軽井沢町。子どもの頃、学校の若い男の先生や友達と一緒に行った渓流釣りが、釣りの原体験です。

アメリカに来て、ニューヨーク市北部の山“キャッツキル”で20年ほど前からキャンプを楽しむようになりました。キャンプ中、川に入って静かに糸を垂れているフライフィッシャーたちをよく見かけたんですが、その姿が厳かで、すごくかっこよくて」

真剣に遊ぶ釣り人たちの姿に惹かれ、フライフィッシングを始めた。

「ある時、キャンプ帰りに釣具屋さんに寄ってみたら、“キャッツキル”がアメリカでのフライフィッシング発祥の地だと知ったんです。独特のカルチャーや背景など、お店の方にいろんなお話を聞くと、とてつもなく奥深い世界。みるみるうちにハマって、僕もそこに通うようになりました。

それ以来、モンタナやアイダホ、コロラドなど、名所と言われる所には大体足を運びました。フライフィッシングが僕をいろんな場所に連れていってくれたんです」

◇自然を見る“解像度”を上げる。

より分かりやすく、その魅力を伝えるために手描きで作成した紙芝居。

内田:
「スノーピークフライフィッシングが本格始動してから、アメリカのキャンプイベントでは必ずフライフィッシングのワークショップを行っています。『自然とつながる体験』という意味ではキャンプと通じるし、もう一歩先に進むような感覚を得られると思うんです。

ワークショップでは釣り方だけでなく、コンセプトや想いなども、自作の紙芝居を使って伝えています。ありがたいことにこれがとても好評で、『大切なことを教えてくれてありがとう』と、涙ぐむ方もいらっしゃいました。それほどまでに、フライフィッシングは自然との関わりが深いものだと感じます」

キャンプイベント「Snow Peak Way」でのワークショップ。

「その土地がどんな環境か、また川にはどんな虫が飛んでいて、魚がそれらをどうやって食べているか。虫や魚の生態を緻密に観察して気づきを得るほど、魚と出会える機会は増え、キャスティングも上達していきます。

そうやって自然を見る解像度を上げることで、細かい気づきが増えていき、自然と深くつながることができる。そのおもしろさはまさに『人間性の回復』です。学びながら楽しめる遊びなんだということを伝えていきたいですね」

◇プロセスを楽しむ遊び。

モンタナ州・ロッキー山脈の麓に流れるマディソン川。フライフィッシングの聖地として知られる。

内田:
「フライフィッシングがカルチャーとして浸透しているアメリカでは、州政府や環境省が河川を管理しているため、清流が多く、魚も数多く棲息しています。釣りの名所には、釣具店や釣り人のための宿が集まっていたり、ネイチャーガイドがいたりと、フライフィッシング中心の観光業が成立しています。

環境とレジャーの関連性を学び、自然に向き合う姿勢は、アメリカのいいところ。ちゃんと遊びたいから、フィールドを守る。それは、キャンプと同じスピリットです」

体色の美しさで知られる「レインボートラウト(ニジマス)」は北米原産。

「日本では、魚に出会うには上流まで足を運ぶ必要がありますが、その分、地域ごとに異なる固有種に出会える楽しみがありますね。同じトラウトでも、ヤマトイワナやオショロコマ、アメマスなど、その土地ならではの魚がいるんです。いつかはそれぞれのフィールドを訪ね、自分の手で釣ってみたい。そんな憧れがあります。
 
川が違えば水も違うし、虫の種類・大きさや魚のすみかも全く変わってきます。当然、難易度も上がります(笑)。でも、自然を観察したり、フライを自分で工夫したりして、魚が釣れるまでのプロセスも楽しんでほしい。それがフライフィッシングの醍醐味だと僕は思います」

Epilogue

オンもオフも野遊びを全力で楽しむスタッフたちが、皆さまのアウトドアライフをサポートさせていただきます。ぜひ、店頭やイベントなどでお気軽にお声がけください。