原点回帰食OUTSIDE SHOJIN BRUNCH vol.1

できるだけゴミを出さないよう、野菜は皮まで料理に使う。兼用できるクッカリーを使い、洗い物を減らす。
そしてやっと食事の時間。近くに生えていた花と料理で彩られた食卓で季節を感じてから、いつもより長い時間を掛けて「いただきます」と言ってみる。丁寧に料理した分、料理へと姿を変えた自然の恵みに対して、そして食材を集め調理してくれた人に対して、感謝の気持ちが自然と生まれてくる。そんな料理だからこそ、一つひとつの料理と向き合いながら、ゆっくりといただく。

いつものように会話を楽しんだりしながらではなく、静かに。自然の中で料理と向かい合いながら時間を掛けて食べると、食材の旨味が感じられて美味しさが増してくるから不思議だ。食べ終わったサラダボウルにお湯を注ぎ、食後に楽しむ。だし入りの豆腐ドレッシングがスープになって美味しい。ピザ皿はピクルスとピザ生地の端で拭き取ってから洗い物にまわすと、洗剤をほとんど使わなくて済む。

精進料理とアウトドア。真逆なイメージがあるけれど、実はふたりは素敵なパートナーなのだ。

自然の中だからこそ精進料理の哲学をより実感することができる。しかも肉を使わない精進料理は、ビーガンやハラル・フードとしてもすぐに応用できるから、日本だけでなく世界中で楽しむことができるに違いない。いつもより長めの「ごちそうさま」の時間をとっているとき、そんな事がふと頭に過った。自然の中で楽しむ精進料理は、人間の営みの本質に立ち返るための、原点回帰食なんだ。

さとう・けい/編集者。1977年生まれ。岩手と東京の二拠点で活動中。