スノーピークのモノづくり

contents

竹林 2006年、スノーピークは今までテーブルの天板に採用していたシナベニアを全廃して、全て竹集成材に変更いたしました。
世界の気候区分から竹の生息分布を見てみますと、世界中で竹林は約1600万haでその約80%が熱帯地域に分布しています、さらにその約90%がアジアの熱帯からモンスーン地帯や温暖帯に生息しています。日本においても生活に非常に馴染み深いイネ科の植物のひとつです。

竹集成材天板の美しい模様 通常資源として使用される樹木は実際使われる大きさになるまで20年ほどの歳月を要します。しかし竹は成長スピードが早く約3~5年で資源として活用できる優秀な素材です。
竹は80個ほどの節を持ち、成長して増えるのではなく竹の子のときから同じ数の節を持っており、節と節の間隔が広がることによって背が高くなります。
竹は根を張るスピードも早いために適度な間引きや伐採をしてあげないと竹林全体が滅んでしまうのです。
この成長速度の早い竹を通常の木材の代わりに有効活用することで、竹林を保全しなおかつ森林資源を保護する効果が生まれます。


マルチスタンドがベースのフォールディングテーブル竹の繊維質は強化プラスチック(FRP)の繊維構造と同様に最少量の強化繊維で最大の強度を発揮できるよう組織されていると考えられています。竹の強度は、金属と木材の中間の強度を持ち、例えばヒノキと比較しますと約1.5~2倍の強度を有しています。狂いも少なく適度な弾力も持ち合わせており、衝撃を吸収する能力も大変優れています。 竹の効果は他にもあります。竹にはテルペン成分が含まれており、森林浴を語るときに頻繁に使用される“フィトンチッド”効果により、リラックス効果や精神安定作用を促し、さらに血行促進や疲労回復にも効力を発揮いたします。さらに竹のプリフェノール(植物が光合成を行うときにできる物質の総称)成分による抗酸化作用でダニや雑菌が繁殖しにくい特徴も持っています。静電気も起きないので埃(ほこり)を吸い寄せず人に非常に衛生的で優しい素材です。


調味料立て古くはエジソンが京都の真竹の繊維を炭化して電球のフィラメントを作ったことは有名な話です。筒状の竹を縦に割って、何層にも張り合わせる竹の集成材は視覚的にも美しくインドア、アウトドアを問わず使い手に優しさや癒しを提供いたします。ここ最近では家や体育館のフローリングとしても活用されたり、竹チップの舗装など新たな活用事例も増えています。 スノーピークは、竹は地球の自然を保護するうえで、最も有効活用できる優秀な資源のひとつだと考えています。

大好きな自然のためにできることから始めています。
(文:販売促進課 片山 誠司)