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夕暮れドライブに行こう!

午後0時37分

昼のブレイクタイムに妻からメールが入る。

「今日は夕日が見たいから、帰りに駅前のコンビニで待ってます。」
いつも、この調子で、その日の気分で何かを言い出すことがある。

「何か、ご用ですか?」
僕は、午前中の打ち合わせがうまくいかず、何だかへこんでいたので、
妻にそっけない返信をしてしまう。
「たまには、いいんじゃない?タカシは林間学校で今日はいないわよ。」

なるほど...そういうことか...。
不謹慎ではあるが、僕は午後からの仕事をを早くこなせるように、
スケジュール調整をした。

午後6時12分

待ち合わせのコンビニに着いた。

妻は車の助手席に座るなり、僕のマイボトルを手に取り
「夕日を見ながら飲みましょう!このボトル確か缶をそのまま入れられる
ようになっていたでしょ!」と、ボトルに缶をセッティングした。
確かにそうだった。キャップに保冷材が付いていて、そのキャップを使うと、
冷蔵庫から取り出して、飲みごろが約六時間続く...ということが、
買った時に書いてあった。
それを妻は覚えていたらしい。

「運転があるから、ノンアルコール飲料だけど。気がきくでしょ?」

そんな妻のいたすらっぽい笑顔が僕は今でも嫌いではない。

午後6時30分

実は僕には気になっていることがあった。

それは、僕らが夕日が海に沈む時間に間に合うかどうか...
という、シンプルで根本的なことだった。

妻は自分で誘っておきながら、そんなことは気にしてないそぶりで、
「へぇ~ こんな曲まだ聴いてたんだ?」なんて...のんきな話をしている。
確かに僕らがまだ付き合っていた頃によく聴いた曲だった。
「でも、あなたはこの曲より、この次に出した曲の方が好きだったわよね?」

僕は、当時を思い出しながら、適当に相づちを打つが、

日没に間に合うかどうかが、気が気でない。

午後7時01分

案の定だった。

僕らは日没にあと一歩の所で、間に合わなかった。
正直、僕は若干の落胆をしたが、妻は
「はやく、あのイスとテーブルをセッティング!急いで!」と
気にも留めていない様子だ。

その言葉通り僕は、車に積んであるローチェアとテーブルを海辺にセッティングした。
この小さく折りたためて収納できるチェアとテーブルはキャンプ以外でも、
どこでも活躍できるように、
僕の車のラゲッジスペースに積んであるもので、

あっという間に、野外で快適なリビングをセッティングできたのだが...。

午後7時24分

久しぶりに、他愛もなく話した。
日没に間に合ったかどうかは、関係なかった。

「タカシは今頃、みんなで、ご飯を食べている頃かしら?」
今日初めての妻の心配そうな表情だった。
「だって、あの子、酢豚のパイナップルが食べられないじゃない!」

僕は、思わず噴き出した。

「大体、林間学校に酢豚なんてメニュー出てくるのか?」
なんて思いつつ、 飲みごろだったノンアルコール飲料が飲み終える頃、妻は言った。

「さぁ、次はあの頃、二人でよく行った、あのレストランに行くわよ!撤収!撤収!」

なんという切り替えの速さ...。
そんな妻のいたずらっぽい笑顔が、僕は今でも嫌いではない。


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