snow peak club

我が家の新幕投入はまさかのランドブリーズ3LXです。ご存知の通り、この製品は既に廃盤となっておりますが、某オークションで新品同様のものを入手しました。
我が家は妻と小さな子ども3人の5人家族。昨年にトルテュPro.でファミリーキャンプデビューを果たしたのですが、数回のキャンプを重ねるうちに
1.トルテュが重く大きくて、雨天撤収後の乾燥に泣きが入る
2.キャンプに慣れてきたので家族全員の予定が付かなくても、私と子ども達、妻と子ども達、あるいは私と妻でキャンプをしてみたくなった（妻一人でも設営可能なテントであることが条件）
というような考えが芽生えてまいりました。
昨年、意を決したファミキャンデビューで、これがあれば他に何もいらないと、清水の舞台から飛び降りるが如く、トルテュを購入したにも関わらず、人間の欲望というのは恐ろしいものです。
当然、妻は呆れ顔で猛反対をしてきましたが「いつも子育てで疲れているだろうから、たまの土日は一人で温泉に行ったり、喫茶店に行ったりして、ゆっくりしなよ。子ども達は僕がキャンプにでも連れていくから」と話したら、菩薩の顔に早変わり。手のひらを返したように賛同してくれました。それどころか、じゃ、私も子ども達とでキャンプに行ってみたいから、私が設営出来るテントにしてね、と言うではありませんか。嬉しいことに思惑通りです。ちなみに妻からは「それなら一人だけ子どもを見ておいて欲しいの。」と、夫だけを（←一人だけの子ども）残して子ども達とキャンプに行くようなアメリカンジョークみたいなことは言いませんでした。
さてさて、選定するに当たり、大人2人＋αあれば用件を満たすと考え、アメニティドームS、エルフィールドデュオPro.、ランドブリーズPro. 2.5 、ランドブリーズPro.4、ランドブリーズDUO、ランドブリーズ4、ランドブリーズ5、X-トリッパー2 などを対象に、比較、検討を重ねました。
最終的にグレー幕の誘惑で、ランドブリーズPro.4（サイズ的にはドンピシャだったと思う）にするか、コスト重視でアメニティドームSにするか、美しいフォルムとハイグレードのランドブリーズ4、5にするかに絞られました。（アメドにするなら絶対にランブリにした方がいいという話も聞いたし、シルエットの美しさはランドブリーズ4の右に出るものはないと感じていました） エントリーから漏れた他の候補は大人1人＋子ども3人では小さ過ぎるのではないかと思ったからです。
後はここからどう絞り込むかなのですが、そんな時、妻からこんな指摘がありました。
「で、トルテュはいつ使うの？」
・・・ そうです。レクタL（就寝時の荷物置き場）も手に入れた今、無理やりでも家族5人（内、幼児が二人なので）が入れそうなランドブリーズ4、5、Pro.4を手に入れてしまったら、トルテュの出番がなくなってしまうという指摘です。しどろもどろになりながら私が「雨が降らなくて乾燥しなくて良い時とか・・・」と言うと「そんな贅沢は許しません！」とピシャリと言われてしまいました。妻の言い分としては、どうしてもという理由がない限りトルテュを使わないのは勿体無いというものでした。確かに当初のコンセプトからすると妻の言い分は正しいのです。つまり、家族5人では絶対に使えないか、もしくは狭すぎて居住性が悪く、やっぱり乾燥は大変でもトルテュにすれば良かったね、というテントであることが条件として追加されたのです。
結局、コスト的にパフォーマンスの高いアメニティドームSに落ち着きかけたその頃、冬がやってきて、ふと思い直しました。（アメドSが欠品で入手できなかったというのもありますが）せっかくキャンプを始めたなら冬のキャンプも楽しんでみたい。雪中キャンプをする際、自己責任ではあるものの、ストーブがあれば快適に過ごせる。無論、アメニティドームSには危険過ぎて、ストーブを入れることはできない。ランドブリーズ4、Pro.4とて同じこと・・・。
ここまで悩みに悩んで、絞り込んだのに、更に悩めということでしょうか。神は何という試練をお与えになるのか・・・。と、思ったものの、そう考えると適合するテントがありません。ひとまず2013年のニューモデルの発表を待とうということになりましたが、取り立てて私達のニーズを満たす新製品の発表はありませんでした。
そんな時、某オークションで見つけたのがランドブリーズのLXシリーズだったのです。
その中でも取り分け3LXが我が家のニーズにドンピシャでした。
アメニティドームではなくランドブリーズというブランドを手に入れる所有感（実際に丈夫で安心だと言うし）、ランドブリーズ4にも似た美しい流線形のシルエット、ストーブを置けるだけの広い前室、雨に濡れても乾燥が容易なコンパクト性、妻が一人でも設営出来る簡易性、軽量性・・・。どれを取っても、我が家のニーズにピッタリです！
問題はなぜ廃盤になってしまったのかということです。この疑問を解消するためにSPストアの店員さんに尋ねてみました。話によると、その昔、SP製品の最高峰と言えば、いつかはクラウン宜しく、リビングシェルにランドブリーズ6をトンネルで連結するのいうものでした。しかし、揃えるとなるとかなり高額になりますので、ランドブリーズに簡易的な前室を付けたLXシリーズが発売されました。その後、LXの良さとリビングシェル＋トンネル＋ランブリの居住性と設営面での問題点を解消したランドロックが開発され、当然の住み分けはあるものの、思いの外、爆発的にランドロックが売れたため、LXシリーズは順次廃盤になった。（覚え違い、聞き間違いがあったらすみません） しかし、廃盤になったと言えどもLXシリーズは秀作で、モノとしては抜群に良いということでした。この一言で長きに渡る苦悩から決別する決心が付きました。カラーリングも現行品と一緒だし。
廃盤なのでインナーマットとグランドシートの入手が困難かと思いましたが、幸いにも一式の出品だったので良かったです。中古市場の相場からすれば、かなり割高な価格だと思いましたが、状態が良さそうなのと、今後の出品がないかもしれないと思い購入に至りました。（とはいえ、やはり中古なのでカビ臭かったです。拭いたり、乾燥を繰り返す内に臭いは取れたので良かったです）
以降、念願だった妻との雪中デュオキャンプやソロキャンプなどで大活躍中の3LXです。今のところ何の不満もないどころか大満足しています。
また、3LXのインナーテントはトルテュの中でも活躍出来そうです。ちなみに我が家はインフレータブルマットを持ち合わせていないのですが、トルテュのインナーマットを3LXのインナーマットの上に重ねることで地面からの冷気緩和になります。
一番の課題だった乾燥については、家の中でもフル設営出来るコンパクトさでしたし、家の中の物干し竿に干しても、半日程度で完全乾燥が可能になりましたので、これまた大満足です。むしろ、雨よ降ってくれって感じですね(笑)
自己責任であるテント内のストーブも外気温は氷点下でも3LX内は換気用にとサイドメッシュを開けた状態でも20℃を超える快適さです。トルテュだとそうは行きません。
3LXは私達の要望を全て満たしてくれた、この上ない製品なのですが、私のレビューとしては選定に至った理由と、その結果程度に留めておき、詳細の使用感についてはSPCの過去のレビューやそのブログに詳しく載っておりますので、そちらに譲ります。当然のことながら、それらのレビューを大いに参考にさせて頂きましたことをここに御礼申し上げます。
悩んだ分だけ満足感、達成感、充実感も多かったです。もっとも冬キャンをやらない前提ならランドブリーズ4かPro.4か、アメドSにしていたかと思いますが、雪中キャンプが想像以上に楽しかったので、やっぱり3LXにして良かったと思っている次第です。
というわけで長文にお付き合い頂きありがとうございました。皆さまも素敵なキャンプライフをお過ごし下さい。