isdsys
複眼の物体識別シーケンスに付いて、生物学者は深く研究している方が少ないように思いますが、そこはまず「構造」ありきの考え方に立ち戻ってみると、現実の人間社会にも同様の3次元物体識別を行っているものがあるんですね。
それは、フラットアレイ型3次元レーダーです。昔のレーダーはパラボラ型アンテナを回転させて物体の距離と方位や仰角を測定していましたが、現代のレーダーはピンスポットのレーダー波を無数に発射し、跳ね返ってくるエコーの有る無しで物体識別をしています。その仕組みの原点は正に複眼そのものなのです。また、動く物体に対して敏感に反応する構造も、隣接するスポット波エコーの強弱により、物体の動作を予測追尾するような構造がトンボの脳にインストールされているのでしょう。
このように人間は生物が持つ優れた能力を、うまく利用して科学を発展させたり、生活を豊かにしてきました。そんな恩恵を貰った自然を破壊してしまっては、何のための科学技術なのかと考え方を改める時期にきているのだと思います。もっともっと自然を大切にしなくちゃね。(と庭を闊歩していたカニさんが教えてくれました。)