幼少の頃から父親に、海に山にとキャンプに連れて行かれ、始めは「キャンプって面倒だなあ」と正直思っていました。ですが、ある日を境にキャンプが大好きになってしまいました。それは、小学校4年生の時、夏山でキャンプをした時の出来事です。いつものようにあまり乗り気ではない私に、父親が言いました。「夜中の2時に起こすからな。いいものを見せてやる。」と。約束通り真夜中に起こされた私は、しぶしぶテントから這い出ました。まだ焚き木が柔らかな炎を蓄え、無造作に置かれていた父親が飲んでいるコーヒーカップからは、まだ湯気が出ていました。父親は寝ずに私を起こすために起きていたんだなと感じました。父親が言いました。「空を見てみな。」と。私は眠い目をこすりながら真っ暗闇のあたりを見回し、薄気味悪さを感じながら、父親に言われるがまま空を見上げました。すると、真っ暗な空に、所狭しと、ものすごい数の星達が瞬いていました。そしていくつもの流れ星が天空を舞い、しばし無言で天空のショーを眺めていました。それは何とも言えない衝撃と感動と、無限に広がる宇宙という存在の偉大さと不思議さを子供ながらに初めて感じた瞬間でした。それ以来、父親と行くキャンプがとても大好きになりました。そして父親を見る目も変わりました。一人でテントを組み立てたり、ロープワーク、キノコや山菜を採って料理してくれたり、もちろん着火剤を使わず火種から火をおこしたり、いつもいつも見慣れていた父親の行動のすべてが、「カッコイイ!すごいなあ!」という目で見れるようになりました。私も現在、子供が二人いますが、なかなか多忙でキャンプに行く回数はめっきり減ってしまいましたが、私も自分の父親のように、大自然を通じて子供たちに自然の素晴らしさや美しさ、偉大さ、そして怖さを教え、感動と思い出をたくさん残してあげたいと思っています。長くなってすいませんが、こんな私でございます♪
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