【永久保証】 from STAFF修理の先にある絆 vol.5

Prologue

アフターサービスルームには、今日も日本各地から修理が必要な道具たちが届きます。ユーザーの大切な道具の修理を通して、キャンプというライフスタイルを支えるスタッフのストーリーをご紹介します。

今回話を聞いたのは、フロントとしてユーザー対応を担当するスタッフ、富樫です。専門学校を卒業後、さまざまなアルバイトを経て、スノーピークのアフターサービス課に加わりました。

◇未経験からアフターサービスへ。

日々、全国各地のユーザーから修理品が届く。

―この仕事に就いたきっかけは?

富樫: 高校卒業後、公務員を目指して専門学校に通っていたのですが、試験に落ちてしまい、アルバイトを転々としながら「自分は何をやりたいのだろう?」と考えていました。

やがて手に職をつけたいと思うようになり、ミシンの技術を身につけられる仕事を探し始めました。そこで出合ったのがスノーピークのアフターサービスだったんです。
 
アルバイトとして働くようになり、初めは縫製を担当していました。自分以外はみんな、工業用ミシンの経験者。僕は未経験での入社だったので、朝早く来てミシンの練習をしたこともありました。

次第に「自分はもっと違う方法でチームに貢献した方がいいのではないか?」と考えるように。それで、現在はユーザー対応の仕事を中心に担当しています。

 
―具体的にはどんな業務を?
 
富樫: ユーザー様からの電話やメールでのお問い合わせの対応が主な業務です。また、製品に初期不具合があった場合は、交換品の手配を行います。

スノーピークでは修理だけではなく、パーツ単体を販売も行っているんですよ。製品の収納ケースやシュラフのベルトなどの付属品を破損したり紛失してしまった、というユーザー様からのご相談にも対応しています。

◇修理ができないと分かったときは…

預かった修理品は、次のキャンプに間に合うよう対応するのが、チームの信念。

―仕事をする上で、どんなことを心掛けていますか?
 
富樫: 一番は、ユーザーさんの立場になって考えることです。

例えば幕体修理の相談があり、電話でお話を聞いている段階で、使用年数からして、すでに製品が寿命を迎えている可能性が高いことが分かる場合があります。そんな時でも、まずは現物を見た上で判断をするようにしています。
 
ユーザーさんが長年大事に使ってきたテントですから、結果的に修理不可の判断をするにしても、現物を見て診断をすることが、ユーザーさんが望まれている対応だと思うからです。
 
修理不可を伝えるとやはり非常に残念がられますが、どれくらいの年数で劣化が進んでいくか?なぜ劣化していくのか?をご説明し、ご理解をいただけるように心掛けています。
 
また、湿気がたまりやすい場所に保管したり、使用後に濡れたまま収納して保管してしまうと、劣化が早く進んでしまいます。次に購入されるテントをより長く使っていただけるように、正しい保管方法についてしっかりご説明をさせていただくこともあります。
 
  
―修理不可の場合は、そのまま返却するのでしょうか?
 
富樫: ケースバイケースですが、修理をしないという選択も含めてユーザーさんのためになる対応をチームで話し合うことがしばしばあります。

例えば、古い型のテントのフライシートが寿命を迎えていた場合は、互換性のある現行品のフライシートを新たに購入していただく提案ができます。

しかし、修理依頼があったのはフライシートですが、使用年数からインナーテントも傷んでいる可能性がありますので、テント一式を買い替えた方が結果的に安くなることも考えられます。
 
以前は修理不可とだけお伝えしていましたが、他の選択肢とそれにかかる金額をお伝えすることで、ユーザーさんにとって一番いい方法をご自身でお選びいただけるようにしています。

◇対応したユーザーとキャンプで対面。

今年で入社7年目。いつしか後輩も増えた。

―特に印象的だった修理のエピソードは?
 
富樫: スノーピーク製品をよくお使いいただいているユーザーさんの中で、製品の初期不具合で何度かご迷惑をお掛けしてしまった方がいらっしゃいました。

先輩が店舗スタッフだった時に仲が良かった方で、その方から先輩と一緒に自分もキャンプにお誘いいただいたんです。
 
たびたびご迷惑をお掛けしたこともあり、お会いするまではとても緊張していました。
 
でも、会ってすぐ「いつもありがとうございます」と優しく声を掛けていただきました。シンプルな言葉でしたが、そんな温かい言葉をいただけるとは思っていなかったので、すごくうれしかったですね。アフターサービスの仕事をしていて本当に良かったなと感じた瞬間でした。
 
 
―これからやってみたいことはありますか?
 
富樫: スノーピークは海外展開も進めています。培ってきたアフターサービスの知見を海外チームとも共有していけたらいいなと思っています。

また僕個人としては、今はユーザー対応が仕事の中心ですが、ジョブローテーションを行う時期には修理の仕事を担当し、引き続き技術面も磨いていきたいですね。

Epilogue

長く使ってきた道具とあなたが織りなす時間は、どんなに優れた新製品を買っても手に入ることはなくて、その時間を、人は「愛着」と呼ぶのだと思います。

新潟・福岡にあるアフターサービスルームには、今日も遠方から修理の必要な道具たちが届きます。壊れたら捨てるのではなく、大事に直してまた使って欲しい。そんな想いを込めて今日も丁寧に修理にあたっています。

もしも、道具が壊れたらいつでも私たちスノーピークにお送りください。想いを込めて修理し、皆さまにお戻しいたします。